ビッグデータ分析基盤の構築をより早く、日本IBMが新モデル投入

日本IBMはデータ分析基盤システム「PureData」シリーズの新モデルとして、エントリー向けとHadoop対応の2製品を発表した。ビッグデータ活用をすぐにしたいという企業ニーズに対応したものという。

» 2013年10月15日 13時31分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本IBMは10月15日、ビッグデータ処理などに特化した統合型プラットフォーム「IBM PureData System」シリーズの新製品2モデルを発表した。Hadoop対応の「IBM PureData System for Hadoop H1001」を同日、エントリー向けの「IBM PureData System for Analytics N2002-002」を18日から提供する。

 PureData Systemは、垂直統合型システム製品「IBM PureSystems」シリーズのうちデータ処理に特化したラインアップとして2012年10月に発表され、データベースシステムの「IBM PureData System for Transaction」、データウェアハウスDWH)製品の「IBM PureData System for Analytics」、リアルタイム型DWH製品の「IBM PureData System for Operational Analytics」の3モデルを展開している。今回の新製品は、これにHadoop対応モデルとfor Analyticsの中規模企業向けモデルが加わる形となる。

 for Hadoop H1001は、テキストや画像といった大容量の非構造化データの並列分散処理や解析を行うHadoop基盤の構築や運用に特化した。ハードウェアとしては、同社のx86サーバを18ノード(CPUは256コア)、ユーザーデータ領域として最大216テラバイト(HDFSフォーマット後)/1ペタバイト(圧縮後)を備え、納入後数日で初期設定を行い、すぐにHadoop環境を運用できる点が特徴という。

構築が複雑というHadoop基盤を予め最適な構成にして動作検証などを行ってから顧客企業に納入する

 ソフトウェア面では同社のHadoop基盤ソフト「IBM InfoSphere BigInsights」を搭載。Excelに似たユーザーインタフェースや操作性の表計算ツール「BigSheets」や、SQLでHadoopを利用できるようにする「Big SQL」などの同ソフトの全ての機能が利用できる。また、連携ツールの「IBM InfoSphere Optim EasyArchive」を利用すれば、PureData System for Analyticsとデータ連携が取れるようになる

 for Analytics N2002-002は、ハイパフォーマンスアナリティクス用途のシステムを中規模企業などでも利用できるようにしたもので、ブレードサーバを2台(32コア)、2.5インチHDDを48台(スペア・OS用8台を含む)搭載し、ディスク容量は8テラバイト、圧縮後で32テラバイトまで格納できる。上位モデルと同様のNetezzaのデータ処理アーキテクチャをベースとし、高速処理が可能になっている。

IBM PureData System for Analytics N2002-002の主なスペック

 同日の記者会見でインフォメーション・マネジメント事業部長の望月敬介氏は、「企業ではビッグデータをビジネスに活用することが本格的な局面に入っている。一方で、複雑なシステムの構築や将来の拡張性に不安を感じており、それらに対応すべく新モデルを提供する」と説明した。専務取締役 執行役員 ソフトウェア事業担当のヴィヴェック・マハジャン氏は、「ビッグデータ処理に関するソリューションとしては国内だけでも130社以上に導入するまでになり、より多様な選択肢を提供していく」と述べた。

 両製品の提供価格は個別見積りとなるが、参考標準価格として望月氏は「for Analytics N2002-002では6000万円台、for Hadoop H1001では7000万円台で、これにオプションを加えたものになるだろう」としている。

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