日本HPが情報管理ソフト群を発表――法規制強化の動きも見据え

情報統制ソリューション向けの4つのソフトウェアを新たに提供する。米国の「金融規制改革法(ドッド・フランク法)」の適用強化に向けた需要が高まっているという。

» 2013年10月21日 18時18分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカードは10月21日、企業の情報統制を支援するという4種類のソフトウェア製品の最新版を発表した。一部は国内では初提供となる製品で、企業内の膨大なデータの保護やライフサイクルに基づく適切な管理を可能にするという。

 発表されたソフトウェアは、「HP Records Manager 8」「HP ControlPoint 4.1」「HP Application Information Optimizer 7.1」「HP Data Protector 8」の4製品。新たに提供されるRecords Managerは、企業内の情報資産のインデックス作成や分類、管理を行う。ControlPointはRecords Managerによって分類された情報へのアクセスコントロールや廃棄までのライフサイクル管理機能がある。

 また、Application Information Optimizerはアプリケーションのデータベースを管理するツールで、最新版では利用頻度の低い、あるいは更新が終了したアプリケーションのデータベースを検索可能な形でアーカイブできる機能が強化された。Data Protectorはバックアップ/リカバリ製品で、最新版では製品アーキテクチャを刷新し、大容量データへの対応強化をバックアップ処理の能力を大幅に向上したという。

 Data Protectorを除く3製品は同日から、Data Protectorは2014年1月から出荷する。製品価格はいずれも個別見積りとなる。

春木菊則氏

 製品を発表したオートノミー・インフォメーションマネジメント統括本部長 東アジア担当の春木菊則氏は、企業における構造化/非構造化データの管理の重要性が高まり、特に非構造化データについては年率62%でデータ量が増えている状況から、データ分析などの活用に備えて適切な管理が求められると説明する。

 例えば、米国のe-ディスカバリ(民事訴訟での証拠データの開示義務)対応にける迅速化や証拠を見つけ出すための作業の効率化ではこれら製品によるソリューションが注目されている。さらに、2008年の金融危機を契機として2010年に取りまとめられた米国の「金融規制改革法(通称:ドッド・フランク法)」への対応を意識する企業ニーズもあるという。同法の中では金融機関での情報の透明性強化を図る規定も盛り込まれており、メールやインスタントメッセージなども含めたあらゆる電子データの適切な保持が求められる。

 春木氏によれば、こうした情報管理体制の強化のために今回発表した製品をHP社内でも運用している。その導入効果として、Application Information Optimizerなどによるアプリケーションの引退では実施初年度に160種類のアプリケーションの90テラバイトのデータを削減した。また、現在実施中のData Protector最新版によるアーカイビング体制への移行では管理サーバを100台から4台に削減するという。

HP社内での導入効果の一例

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ