国内PC市場は6四半期ぶりのプラス成長、XP買い替えが牽引

IDC Japanが発表した国内クライアントPC市場出荷実績値によると、2013年第3四半期の家庭市場は前年同期比24.6%減、ビジネス市場は同21.3%増となっている。

» 2013年11月11日 17時55分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは11月11日、第3四半期(7〜9月)の国内クライアントPC市場出荷実績値を発表した。これによると、出荷台数は、2012年第1四半期(1〜3月)以来6四半期ぶりのプラス成長となった。家庭向け市場は前年同期比24.6%減の120万台だが、ビジネス向け市場では同21.3%増の259万台となり、全体では1.7%増の379万台だった。

 家庭向け市場の出荷台数は6四半期連続での減少だったが、ビジネス向け市場はWindows XPサポート終了に伴う買い替え需要が旺盛となり、前年同期比で20%を超える高い成長率を示した。その結果、ビジネス向け市場の出荷台数が、家庭向け市場の2倍を超える台数に達している。

 ベンダーシェアの上位5社は前四半期(2013年4〜6月)と顔ぶれは変わらないが、前四半期5位のHPが3位に上げている。家庭向け市場の出荷台数が比較的少ないHPとデルは、ビジネス向け市場での好調がそのままPC市場での躍進につながった。NECレノボグループは、家庭向け市場で前年同期比23.6%減と不調だったが、ビジネス市場が同比15.6%増と下支えし、全体では0.8%減と昨年並みの出荷台数になっている。富士通は、家庭向け市場で前年同期比14.4%減、ビジネス向け市場では同比18.1%増となり、全体では9.1%増となった。

 HPは、家庭向け市場では前年同期比45.8%減と厳しい結果だったが、ビジネス向け市場では29.4%増となり、全体では16.6%増と二桁成長になった。東芝は、ビジネス向け市場では14.6%増と好調だったが、家庭向け市場で29.5%減となり、全体では5.8%減と順位を1つ下げている。デルは、家庭向け市場で12.3%減だが、ビジネス向け市場で43.7%増となり、全体では33.8%増だった。上位5社30%を超える成長率を達成したのはデルのみとなる。

 PC,携帯端末&クライアントソリューション リサーチマネジャーの片山雅弘氏は、「家庭市場で苦しんでいるベンダーは、ビジネス市場で活路を見出そうとしている。しかしWindows XPサポート終了の特需は、いわば需要の先食いである。XPの特需が終わる2014年4月以降、PCのビジネスをどのように組み立てるか、家庭市場やタブレットも含め、戦略を再度見直す必要がある。2014年は、PCベンダーにとって大きな転換点になるであろう」とコメントしている。

2013年第3四半期 国内クライアントPC出荷台数 トップ5ベンダーシェア、対前年成長率(実績値)、出典:IDC Japan

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