NEC、スパコンのニューモデル「SX-ACE」を発表

ベクトル型スーパーコンピュータ「SXシリーズ」の最新モデルは、世界最高クラスのプロセッサコア性能を達成すると同時に、消費電力と設置面積の大幅な削減を実現させた。

» 2013年11月15日 12時30分 公開
[ITmedia]

 NECは11月15日、スーパーコンピュータの新モデル「SX-ACE」を発表した。プロセッサコアあたりの性能とメモリ帯域で世界最高値を達成しつつ、消費電力および設置面積の大幅な削減を実現させたベクトル型マシンの新世代機となる。

 SX-ACEは、同社のスパコン「SXシリーズ」では初めて4コアのマルチコア型ベクトルCPUを搭載する。同日現在、コアあたりの性能は世界最高の64Gフロップス、メモリ帯域も世界最高の64Gバイト/秒を達成。CPU全体では演算性能で256Gフロップス、メモリ帯域で256Gバイト/秒となる。これを1ノードとして、1ラックあたりではノードカードを最大64枚搭載でき、ラックあたりの演算性能は16テラフロップス、メモリ帯域で16テラバイト/秒。ノード間接続には片方向あたり最大8Gバイト/秒の超高速インターコネクトを採用した。クラスタ構成では最大8ラック・512ノードにより、演算性能で131テラフロップスを実現。10GbE接続でマルチクラスタ構成も可能だ。

 ノードカードのサイズは11×37センチと小型であり、4つのコアとメモリやネットワーク、I/Oの制御部を1チップ化した。これにより、従来機種と比べて同一性能あたりでの消費電力は10分の1に、設置面積では5分の1と、省エネルギー・省スペースを実現している。これにより、一般に多数のプロセッサの利用を必要とするスカラ型並列コンピュータと比較して、少ないプロセッサ数でも、複雑な科学技術計算において高い性能が得られ、並列プログラミングの負担も軽減されます。

 同社では新モデルにおいて、従来のアプリケーション資産を生かしながら、より高速に実行できる点を挙げる。アプリケーション開発環境として「SX-ACE」の性能を最大限に活用していけるというコンパイラライブラリ群やプログラム開発支援機能も併せて提供するという。新製品の価格はレンタル月額の場合で450万円から。

 またSX-ACEの後継機開発の検討も既に開始しており、スーパーコンピュータ領域に加え、産業応用領域やビッグデータ解析もターゲットにしている。

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