Windows XPやOffice 2003からの移行は、大変な作業となる。膨大な作業量を考えると思考停止してしまいたくなるが、きちんと現状を分析して、作業を小さな単位に落としてこんでいく必要がある。また、作業に難易度を付けて、簡単に片付けられるモノと、開発に時間がかかるモノにわけ、簡単なものはさっさと片づけてしまおう。
そして、大きな問題が無いクライアントPCのリプレイスは、さっさとWindows 8.1へ移行すべきだ。簡単に移行できるモノを先延ばししていても仕方が無い。
難易度が高いモノでも、重要度を勘案して考えていく。日々の業務で毎日使用しているアプリケーションと月末だけ動けばいいアプリケーションもある。もし、年に1回の期末だけ動けばいいものなら、2014年3月〜4月をくぐり抜ければ、2015年まで使わない。この間に何とか移行を考えればいい。こういった部分をIT部門は認識していないため、各部門にヒヤリングして、きちんと判断していく必要がある。
もう一つは、Windows XPやOffice 2003上のカスタムアプリケーションを、コストをかけて移行するかどうかだ。代替え手段があるなら、別のモノを使ってもいいだろう。カスタムアプリケーションを再度開発する費用があるなら、今あるカスタムアプリケーションの機能を上回り、使いやすさや利便性を提供できるアプリケーションにすべきだ。そうなれば、古いアプリケーションを捨てるきっかけになったり、UIが新しくなっても文句はでないだろう。単に古いモノを動かすことにコストをかけても無駄だ。
どうしても、Windows XP/Office 2003のサポート終了時に移行ができないなら、無理矢理に移行作業をせずに、セキュリティ面を確保して、延命処置を施すべきだ。ここで、無駄にコストを支払うよりも、延命期間の間に新しいシステムを構築して行くべきだろう。
こういった部分に関しては、企業だけで判断が難しいなら、各システムインテグレータがWindows XP/Office2003からの移行サービスを提供しているので、相談をしてもいいだろう。自分たちが知らない技術やノウハウなどをインテグレータは知っているため、インテグレータの知恵を生かすべきだ。
さらに大きな問題は、Windows Server 2003/2003 R2のサポート終了が2015年に来ることだ。サーバ側の移行作業は多岐にわたるため、現在でも時間が足りなくなってきている。このことを考えれば、Windows Server 2003/2003R2などを運用している企業は、Windows XP/Office 2003から移行と同時に考える必要があるだろう。
全てを短期間には仕上げられないため、できるところと、できなことをはっきりさせて、あきらめる部分や延命処置を行う部分などをはっきりさせて作業をしていくことが必要だ。
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