日本企業のIT支出、24%はIT部門以外から――3年後は39%に上昇

CA TechnologiesのIT担当者への調査で、日本企業ではIT支出の約4分の1がIT部門以外の部門で発生しており、IT部門の役割は大きく変化していることが明らかになった。

» 2014年04月24日 16時24分 公開
[ITmedia]

 日本企業のIT支出の24%はIT部門以外から発生――CA Technologiesが4月24日に発表した「ITの役割の変化とその対応」と題する調査報告書で明らかになった。インドでは55%、中国では49%など、日本を大幅に上回る状況だった。

 日本でも今後この傾向が上昇すると予想され、報告書では今後3年以内に日本におけるIT支出の39%が、ほかの事業部門から発生すると予測している。IT部門以外からのIT支出が増加傾向にあるということは、日本企業のIT部門の立ち位置や役割に変化が起こっていることを示しているという。

 同社は、「テクノロジーとは『IT部門が集約管理するもの』という存在から『全社規模のビジネス・ドライバ』へとそのポジションが変わりつつあることを示唆している」とし、同調査でIT部門の今後の役割についても尋ねた。

 それによると、日本企業のIT部門の役割は「従来のまま変わらない」とする回答者が29%おり、「IT機能の一部を他の部門に移管」が40%、「組織内のすべてのIT業務をアウトソース」が21%、「IT部門のほとんど、あるいは、すべての機能が他の部門に組み込まれる」それぞれ8%、1%という結果になった。

 このことから、70%のIT担当者は企業におけるIT部門の役割に、大きな変化が起きていると認識していることが分かった。

 またIT部門の役割の現状と今後について、現在の役割では25%が「新規事業の推進力」、15%が「新規、革新的製品/サービスの開発者」を挙げた。3年後の役割としては、「戦略ビジネス・パートナー、業務アドバイザー」(49%)、「新規事業の推進力」(43%)となっており、「組織のインフラとアプリの維持管理」「従業員への技術サポートの提供」「問題発生時の対処」といった役割は、現状よりも減少すると考える回答者が目立つ。

 報告書では、事業部門と主要業績評価指標(KPI)を共有する頻度について日本が最も低い結果になった。また、IT投資の変動がビジネスに与える影響を測定しているのはわずか23%で、ITがそのKPIを満たしているかどうかを理解しているのは31%に過ぎないと指摘している。

 こうした結果から、報告書では「日本のITリーダーは、ITがビジネスにもたらす効果を定量化しておらず、事業部門にITの価値を理解させるための努力が不十分だ」と指摘する。さらに、「日本のITリーダーは、IT部門に起こりつつある変化を理解すると同時に、ITの役割を進化させ、ビジネスとITとの関連性を高めるために必要となる具体的な指針を定める必要がある」と結論づけている。

 調査は2013年5〜7月に、オーストラリア、中国、インド、日本、シンガポール、韓国とその他15カ国の上級IT意思決定者(収益1億ドル以上の企業)1300人を対象に実施された。日本では75人が回答している。

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