コレ1枚で分かるIoTとビッグデータの関係ITソリューション塾

昨今注目を集めるInternet of Thingsとビッグデータ。両者をそれぞれ独立した存在としてとらえてはならないという。

» 2014年07月16日 11時00分 公開

 今週のITソリューション塾で「IoT(Internet of Things)とM2M(Machine to Machine)」そして、「ビッグデータ」の講義を予定している。ならば、この両者を「コレ1枚」にまとめようと、こんなチャートを作ってみた。

IoTがもたらす新たな価値 IoTがもたらす新たな価値

 IoT/M2Mが行おうとしていることの1つは、「現実世界のデータ化」である。センサーやほかの機器からもたらされるデータを、ネットワークを介して収集する。インターネットにつながるデバイスの数について、IT調査会社のGartnerは2009年時点でインターネットにつながっているモノの数は25億個、これが2020年には300億個以上になると予想している。また、IntelやCisco Systemsはやはり2020年に500億個と推計している。いずれにしても膨大な数だ。

 そのデータの発生源もさまざまだ。こんなチャートも併せて描いてみた。

IoT/M2Mの活用 IoT/M2Mの活用

 社会活動や公共活動から、日常生活や人間行動から、あるいは、事業活動や産業活動からもたらされる。これらは、膨大なデータ量になり、そのデータ発生の加速度も高まるだろう。まさに、ビッグデータとしての特性を持つものとなってゆく。その種類も多様で、Vital/Life Log Data、Location Data、Device Sensor Dataなどが含まれることになるだろう。

 このビックデータを処理し、現実世界を可視化することや、分析することで、さまざまな知見や最適化のアルゴリズムを生成する。これが再び現実世界の機器を制御することや、人間行動に対してフィードバック情報を提供する。

 こう考えてみると、両者の関係がうまくつながるのではないかと思っている。

 このような関係が出来上がることで、「モノ・ヒト・プロセスがこれまでになく、広範囲・高密度でつながり、新たな価値を生み出す」可能性が生まれてくる。

 昨日のブログにも書いたが、モノとソフトウェアの関係が新しいステージを迎えようとしている。IoTとビッグデータはこの新しい関係を支える基盤となるだろう。この両者を独立した存在としてとらえるのではなく、つながりととらえ、これからのビジネスの全体像を描くことが必要になるかもしれない。

 ※本記事は斎藤昌義氏のオルタナティブ ブログ「ITソリューション塾」からの転載です。

斎藤昌義

ネットコマース株式会社・代表取締役

日本IBMで営業として大手電気・電子製造業を担当後、起業。現在はITベンダーやSI事業者の新規事業立ち上げ、IT部門のIT戦略策定やベンダー選定の支援にかかわる。


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