日本時間の10月2日に「Windows 10」のテクニカルプレビューが公開された。まずは導入してみた最初の所感をレポートしてみたい。
米Microsoftが9月30日に発表した次期OS「Windows 10」のテクニカルプレビューが、日本時間の10月2日未明に特設サイトからダウンロードできるようになった。そのファーストインプレッションを簡単に紹介してみたい。
まず、特設サイトにある「今すぐ開始」のボタンをクリックすると英語版サイトに誘導され、「Join Now」からダウンロードの手続きが始まる。ダウンロードにはMicrosoftアカウントが必要なため、事前に用意しておきたい。ログインすると再び日本語のダウンロードサイトが表示される。
ダウンロードサイトではインストールにあたっての注意や方法、プロダクト キー、ISOファイルへのリンクなどが記載されている。用意されているテクニカルプレビューは、英語(米国と英国)、中国語、ポルトガル語の32/64ビット版だ。ここでは英語(米国)の64ビット版をダウンロードした。ファイルサイズは約3.8Gバイトである。
なお、今回のテクニカルプレビューはWindows 8.1 Pro UpdateのHyper-V上の仮想マシンにインストールしており、パフォーマンスなどの実感については言及を差し控えたい。USBメモリにコピーしておいたISOファイルから仮想マシンへの展開における操作は難しくなく、インストール作業時の言語は英語であるものの、難解ではないだろう。インストール時にタイムゾーンや通貨などの設定で「Japan」を指定でき、インストール後の入力操作などもあまり問題にはならなかった。なぜか、ダウンロードサイトに記載されているプロダクト キーを入力するシーンはなかった。
インストール完了後にログインすると、最初に表示されるのはデスクトップ画面だ。Windows 8.1ではタスクバーのプロパティからスタート画面の設定を変更しないとログイン直後にデスクトップ画面が表示されないため、Windows 10ではデスクトップ画面への回帰を意識される印象である。
デスクトップ画面で最初の目を引くのは、“復活”との評価もあるスタートメニューだろう。Windows 7までのスタートメニューに近い構成だが、ここではWindows 8/8.1のModern UIに似たタイルアイコンが統合されている。プログラムの一覧はストアアプリが上位から順に表示され、下位にデスクトップアプリが表示される。
また、電源オプションもスタートメニューから選べるようになった。Windows 8/8.1のようにModern UIやチャームの操作を呼び出す手間が無くなった。スタートメニューの全体的な操作感はWindows 7に近いものとなっているが、メニュー表示などの点は異なる。
デスクトップ画面におけるもう1つの大きな変化が、「検索」と「タスクビュー」だろう。特にタスクビューは、タスクバーのボタンをクリックすると、起動中のプログラムやファイルなどの大き目のサムネイルが表示され、必要なウインドウへ瞬時にアクセスできる。従来のように、キーボードの[Alt + Tab]による操作に近いものだが、キーボードの無いタブレット端末でも同様の操作感を得られるかもしれない。
以上がWindows 10 テクニカルプレビューで強く印象を感じた点だ。これ以外の初歩的な操作に関しては、Windows 8.1とほぼ同じ印象であり、やはり大きく注目されるのはスタートメニューの使い勝手だろう。全体的な操作性の面でWindows 8.1を踏襲しつつ、そこへデスクトップユーザーに支持されてきたWindows 7までのスタートメニューの操作性をうまく統合しているように感じる。
今後のWindows 10 テクニカルプレビューでは随時、機能などの変更や追加が行われ、2015年初頭には大幅に機能を加えた「コンシューマープレビュー」が公開される見込みだ。2015年後半にリリースが予定される正式版までに、その印象や所感は大きく変わるだろう。ただ、Windows 10 テクニカルプレビューにおいては、少なくともWindows 8/8.1でユーザーに敬遠されてしまったスタートメニューなどの問題点を解決する道筋がはっきりをみられ、ユーザーの期待に応える製品になる可能性を感じることができた。
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