ITサービス市場は2012年以降で最高の成長率に

IDCによれば、2014年の国内ITサービス市場では大幅なプラス成長が見込まれるという。

» 2014年10月21日 16時24分 公開
[ITmedia]

 IT専門の調査会社IDC Japanが10月21日に発表した国内ITサービス市場の最新予測によると、2014年は前年比2.8%増の5兆1720億円が見込まれるという。成長率は、同市場が2012年にプラス成長を回復して以来、最も高い数字となる。

 この背景としてIDCは、2013年末から2014年前半にかけてシステム構築需要が順調に推移していることを挙げている。産業分野別では政府・公共や金融業などで大型システムの再構築やシステム統合などの案件が多くみられ、システム別では、これらの大型案件にクラウドへの移行、データセンターサービスの利用、ネットワークやセキュリティの強化、カスタムアプリケーション保守などへの支出が加わり、拡大した。これに伴い、同社は2013年実績と2014年の見通しも上方修正している。

 2014年後半以降も堅調な成長が見込まれ、2013年〜2018年の年間平均成長率は1.9%、2018年に5兆5239億円に達するとみられる。国内景気の先行きに不透明感があるものの、金融機関でのシステム統合案件が継続するほか、「社会保障・税番号制度」にかかわる投資、クラウドやモビリティなど第3のプラットフォームにかかわる投資が市場のけん引役になるという。

国内ITサービス市場 支出額予測:2012年〜2018年(出典:IDC Japan)

 IDCは、「中長期的にシステム構築中心の市場成長は限界を迎え、構築したITシステムがいかに付加価値を生むことができるかが競争軸になる」と解説している。

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