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» 2014年11月05日 08時00分 公開

アイルランドにみるビッグデータとセキュリティの世界動向ビッグデータ利活用と問題解決のいま(2/3 ページ)

[笹原英司,ITmedia]

産官学連携クラスターから生まれるアイルランドのオープンデータ基盤

 これら国家レベルの研究開発戦略を実際の戦術に落とし込んで具体化する役割を担うのが、産官学連携によるクラスターのエコシステムだ。例えば、ダブリンシティ大学(DCU)、アイルランド国立大学ゴールウェイ校(NUI Galway)、ユニバーシティカレッジ・コーク(UCC)、ユニバーシティカレッジ・ダブリン(UCD)の協働プロジェクトとして「データアナリティクス研究所INSIGHT)」が設立された。

 INSIGHTは、アイルランド科学財団(SFI)の支援を受けながら、「コネクテッドヘルス」(慢性疾患管理・リハビリテーション、新型パーソナルセンシング、健康医療とライフサイエンスの連携)および「ディスカバリー経済」(スマートエンタープライズ、ニュース・メディアの未来、分析ソサイエティ、ディスカバリー分析)を研究開発の2本柱として、ビッグデータ分析技術の実用化/事業化に向けた活動を行っている。日本からは富士通研究所がINSIGHTとの共同研究開発に参画し、LOD(Linked Open Data)活用基盤などの成果が生まれている(「世界中で公開されているオープンデータへのリンクを自動的に付与する技術を開発」を参照)。

 加えてINSIGHTは、公共支出改革省の「オープンガバメントパートナーシップ(OGP)国家行動計画」に基づいて、「オープンデータポータル・アイルランド」の構築を担当し、2014年7月から45の政府機関が保有する418種類のデータセットを提供している。

アイルランドのオープンデータポータル

 ポータルの稼働開始に際してINSIGHTは、「オープンデータ・アイルランド:ベストプラクティスハンドブック)」を取りまとめている。

 これは技術的対策だけでなく、データプライバシー標準、ライセンシング標準(例:SLA)、データ品質標準(例:データ形式、メタデータ、固有ID)、データアクセス標準、公的機関支援(例:ポリシー策定支援)、ユーザーエンゲージメント(例:ソーシャルメディア、ハッカソン)など、プライバシー/セキュリティ管理や組織マネジメントに関わる面のベストプラクティスを、アイルランド国内および海外のケースに即しながらまとめている点が特徴だ。

 なお、米国と同様にアイルランドでも市民主体の「シビックテック(Civic Tech)」が盛んであり、「Code for Ireland)が活動している。

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