サポート終了日が近づく旧サーバOS「Windows Server 2003」をこれから移行するには、どうすればいいか。多くの中堅中小企業に共通する課題を抱えつつ移行に成功した、三重県の農業資材販売企業「東海物産」の事例を紹介する。
「Windows Server 2003」のサポートが2015年7月15日に終了する。Windows Server 2003は、2003年に発売されたサーバOSだ。最長で約12年、日進月歩で進化するITの世界では驚くべき寿命の長さと言える。
ただ、問題なく動作しているようでも、内部技術の多くは時代遅れになっている。特に、深刻化するサイバー攻撃に立ち向かうには困難な状態なのはご存じの通りだろう。ただ、そんな古く、安全とは言えないIT環境を「分かってはいるが、入れ替えられない事情」がある企業もまだ多い。大企業と比べてIT予算が豊富でなく、IT業務を兼務する担当者を置く規模の企業、地方や老舗の中堅中小企業などが当てはまる。
そんな多くの中堅中小企業に共通する課題を抱えつつ、スムーズな移行を済ませた三重県の企業がある。三重県四日市市を拠点に農業資材販売を行う「東海物産」(1947年設立、従業員数138人)だ。農薬販売や農業資材の卸売など、農産物の安定供給と食の安全・安心に応える事業を展開する同社が、これまで課題としていたWindows Server 2003環境のリプレース作業をどう進めたか。担当者に聞いた。
台数 | 用途 |
---|---|
1 | Windows Storage Server 2003搭載のファイルサーバ |
2 | Active DirectoryとDNS Server |
3 | 会計システム |
4 | クライアントPCからターミナル サービスで利用する受発注システム |
5 | 受発注データを保存する Microsoft SQL Server 2005搭載のデータベースサーバ |
6 | Linux上で独自に開発したアプリケーションとProxy Server |
東海物産の顧客は、農協や小売店など2000社以上に及ぶ。ITインフラはできるだけコストをかけず、汎用的な製品を利用する方針で、これまで計6台の物理サーバで運用していた。
抱えていた課題は、
だった。これは、Windows Server 2003の移行が進まない中堅中小企業の課題や悩みと合致する。
ただ、
を考え、
ことで移行を決めた。実質1人で移行作業を進めていく以上、具体的な進行手順やシステムの提案をしてくれたWindows Server 2003移行支援パートナーの存在はかなり大きかったようだ。
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