何者かが韓国の原発管理会社から内部文書を流出させ、原発の運転停止を要求。韓国の当局者は、北朝鮮が関与した可能性に言及した。
韓国の原発管理会社「韓国水力原子力」(韓水原)がサイバー攻撃を受けて内部文書が流出する事件があり、同国法相は12月23日の国会で、「北朝鮮が今回のハッキング攻撃に関与している可能性も排除していない」と語った。韓国の英字紙Korea Timesが24日付で伝えた。
同紙は検察幹部の話として、犯人と思われる人物のIPアドレスをたどったところ、米国、日本、韓国を経由して中国の瀋陽にたどりついたと説明。瀋陽には北朝鮮当局から派遣されたサイバー専門家の拠点があるという。検察幹部は「北朝鮮が関与していると断定するのは時期尚早だが、北朝鮮が攻撃の背後にいる可能性は極めて大きい」とコメントしている。
攻撃側は韓水原から流出させた内部文書のうち、原子炉の設計図や韓水原が開発した原発用のセキュリティコードなどをインターネットで公開し、クリスマスから3カ月間、原発の運転を停止するよう要求。状況次第では第2派の攻撃を仕掛けると予告しているという。
このため韓水原では原発全23基の監視態勢を強化して警戒を強めている。もし問題が起きた場合、安全マニュアルに従って自動的に運転が停止されると説明している。
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