最適なスキャン方法、書類のタイプで選んでみると職場で役立つデジタル化レシピ(2/2 ページ)

» 2015年04月15日 09時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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名刺

 名刺は、概ねどのタイプのスキャナでも問題なく読み取れる。片面だけであればフラットベッドスキャナや、スマホなどでの撮影でも問題なくデータ化できる。両面をまとめて取り込む場合や、名刺が大量にある場合は、ドキュメントスキャナを利用するのが効率的だろう。

 オーバーヘッドタイプのスキャナでは、複数の名刺を並べて一括で取り込むモードが用意されている場合もあるが、並べる手間や解像度を考慮するとあまりお勧めできない。表裏単位で取り込むならなおさらだ。

 気をつけたいのは、ほとんどのドキュメントスキャナは、名刺の短辺にあたる約5センチ四方のサイズが読み取り可能な最小サイズになっており、それよりも小さい、短辺が3センチ前後のいわゆるミニカードサイズの名刺の読み取りに対応できないことだ。手持ちのドキュメントスキャナがこれらのサイズに対応していなければ、フラットベッドスキャナや、スマホなどを使うのが現実的だ。

Photo ドキュメントスキャナで多くの名刺をまとめて読み取る場合、2ページごとにPDFを生成する設定にしておけば、名刺の表裏単位でPDFが生成されるので便利だ

厚みのあるカード

 身分証明証やクレジットカードなど、厚みがあって折り曲げられないカード類は、フラットベッドスキャナやオーバーヘッドスキャナであれば問題なく取り込める。ドキュメントスキャナでも取り込みが可能な製品は存在するが、厚みやエンボス加工の有無によっては対応しなかったり、あるいは対応と書かれていても素材によっては斜行しやすい場合があるので注意したい。

Photo ドキュメントスキャナで厚みのあるカードをスキャンする場合は、原稿がUターンせずにまっすぐに排出できるタイプの製品を利用する

レシート、伝票

 レシートや伝票など、ビジネス文書に使われるPPC用紙よりも薄い原稿は、ドキュメントスキャナや複合機のADFで読み取ろうとすると、紙詰まりの原因になりやすい。厚みのあるカードであればただ詰まるだけだが、薄い原稿は巻き込まれてグシャグシャになる危険もあるので一層の注意を要する。不要なレシートや伝票を使ってテストしたのち、問題がないと分かって初めてスキャンするくらいの慎重さがほしいところだ。

 なおビジネス文書と同様、レシートや伝票類についても、紙の状態での保存が義務付けられている場合があるので、うっかり原本廃棄をしないよう注意したい。宅配便の送り状の控えを相手に送るといったカジュアルな用途に限定すれば、郵送やFAX送信といった手間を省くことができ、コストダウンの恩恵を被りやすい。こうした用途に積極的に利用できるよう、スキャンのフローを整えておくとよいだろう。

新聞紙

 広げるとA1サイズ、1ページでもA2サイズにおよぶ新聞紙は、サイズ的にスキャナで読み取るのは難しいが、1ページを上下に折ってA3サイズに収めれば、オーバーヘッドタイプのスキャナやでの読み取りが可能になる。紙のシワが目立つ場合や、型がついてしまって敷いても平坦にならない場合は、アクリル板のプレッサーなどを活用することも視野に入れたい。もちろんA3まで対応するフラットベッドスキャナーが使えるのであれば、それに越したことはない。

 A3書類を二つ折りにして挟み、スキャン後に表裏を1枚の書類として復元できる「キャリアシート」を使えば、ドキュメントスキャナでの読み取りも不可能ではないが、A2サイズのページを二重に折りたたんでキャリアシートに挟むと、スキャン時のズレがひどくなる。キャリアシートを使う場合は、新聞の1ページを上下に切り離してA3サイズにし、それを折りたたんでキャリアシートに挟むのが妥当だろう。

Photo ブックプレッサーを使えば、紙のシワがある場合でも平坦にしてスキャンが行える。写真はバード電子のブックプレッサー「BP-600」

 なお、スキャナのユーティリティが「裏写り防止」のモードを備えているようであれば、それをオンにすることで背景の裏写りのない、美しい画像が得られやすい。詳細は前回の記事を参照されたい。

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