恐怖! ナゾの資格「ぴんぼっく」女子ヘルプデスクのプロマネ修行奮戦記(1/3 ページ)

かつての上司、Aさんが再び私の上司に返り咲いた。武勇伝には事欠かないAさんのことだから、職場が賑やかになるんだろうなぁ……なんてのんきに構えていたら、とんでもない事態に……。ヘルプデスクの私に「プロマネやれ」ってマジですか!?

» 2015年04月24日 09時00分 公開
[鐙貴絵ITmedia]

プロローグ

「ん?『プログラムはプロジェクトの集合体である』って書いてあるけど、プロジェクトでプログラム作るんじゃないの?」

「あ……違う。プロジェクトで、システムを作るんだよね……」

「ここで言うプログラムって、PCで動作するソフトウェアのことじゃないのか……。そりゃそうだ、IT業界で『プロジェクト』って聞くと、すぐにシステム開発って思っちゃうけど、建築とか新製品開発とか、学生だったら体育祭の運営とかもプロジェクトだものね……」


 みなさん、お久しぶりです。“悲しき女子ヘルプデスク物語”、覚えていますか? iPad狂想曲に巻き込まれた日からはや3年、私が今、何をしているかっていうと……、なぜかPMP(Project Management Professional)の資格を取るために勉強している。あれだけマニュアルを読むのが嫌いなこの私がなぜ? 「ヘルプデスク」業務にPMP資格は必要ないはず……、だよね?

 私が、この資格の取得を目指すハメになった“事の発端”は、10日ほど前にさかのぼる。

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 その日は朝から人事異動が発令され、かつての上司だったAさんがめでたく? 私の上司に返り咲いた(いや、返り咲いたってほどのことでもないけど)。

 Aさんと言えば、あんなことこんなことなど、とかく武勇伝(?)には事欠かない。また、にぎやかになるんだろうなぁ、と思っていると、さっそくその「新」上司、Aさんからお呼びがかかった。

 で、来週行う会議の資料を渡されるとともに、その会議に出席するよう指示された。会議に出席しろって、どういうこと? ちょっと聞いてみるか。

Aさん 「この部署に戻ってきた最初の仕事として、ヘルプデスク業務全体の改善をすることにしたんだ。いろいろとやることはあるけれど、その中の1つにメンバーの拡充がある。とはいえ、そんなに予算がかけられないのも事実でね。そこで……あ、まずは、資料に目を通しておいて。詳しくは会議の時に」

 Aさんから渡された資料に目を走らせると……。なんとAさんは、「在宅ヘルプデスク」(注:ITILで言うところの『バーチャルサービスデスク』の一種)を作ろうとしているようだ。

 小さいお子さんや介護が必要な身内がいて出勤できない、でも仕事はしたい、ITの知識もそれなりにある――という人たちをパートタイムで雇用して、ヘルプデスクの人員を補充しよう、というわけ。たしかに、もともとヘルプデスクで働いていて、結婚などで退職した元従業員の中には、働きたいと思っている人が大勢いる。

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 Aさんってば、えらくまた思い切ったことをするものだ。まあ、いつかはそうなる日が来るかなぁと思っていたこともあったけどね。最近、社内の標準OSが変わったり、クラウド化が進んだことが影響しているのか、ヘルプデスクは慢性的な人手不足に陥っている(一時的かもしれないけれど)。もちろん、人手が足りないと十分なサポートもしづらいわけで、従業員の満足度が下がってきているのも確か。

 で、資料の続きは、どれどれ……。え!? 私がヘルプデスクスタッフの代表として、業務改革プロジェクトの一員になってる!! いったい、どういうこと?

 いろんな意味で、もっと適任者はいっぱいいるのに……上は何を考えているんだか分かない。けれど、まぁ、ご指名いただいたことだし行ってくるか。そもそも私は新しいもの好きだし――と、この時点では、“面白いことになりそう”などと軽く考えていた。

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