これまで「Project Spartan」というコードネームで呼ばれたWindows 10の新ブラウザがついにベールを脱いだ。Microsoft EdgeとはいったどのようなWebブラウザなのだろうか。
4月下旬に米国サンフランシスコで開催された開発者向けカンファレンス「Build 2015」では、Windows 10に登載される新ブラウザの名称が「Microsoft Edge」になると発表された。これまでコードネーム「Project Spartan」と呼ばれていたものだ。今回は、Build2015でのセッション資料を基にMicrosoft Edgeがどのようなブラウザなのかを紹介していこう。
Microsoft Edge(以下、Edge)は、「Universal Windows Platform App」(以下、UWPA)として開発されている。ブラウザの中核部分となるレンダリングエンジンには、新しい「EdgeHTML」(IEではMSHTML)が採用された。
EdgeHTMLは、MSHTMLからInternet Explorer(IE)独自の機能や古いIEとの互換性を保つために用意されている機能などを全て削除し、コード自体を整理している。EdgeはIEとの互換性を持たないため、IE 7やIE 8対応のWebページを表示すると、レイアウトが崩れたり、Active Xなどのプラグインが動作しなかったりする。
Edgeでは後方互換性よりもインターネット標準を積極的に取り入れ、ChromeやFirefoxを追い抜くほどの性能の実現が目標となっている。
Microsoftが新しくEdgeを開発した背景には、IEのコードが複雑になり過ぎて潜在的なセキュリティホールが生じ、頻繁にセキュリティパッチをリリースし続けなければならないといったことがあるようだ。コードを整理したEdgeによって、セキュリティホールに対応しやすいようにしたいという考え方なのだろう。なおIE 11は、メンテナンスモードに入るため、新機能は追加されないが、セキュリティパッチは当面リリースされ続ける。
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