突然、「上司よ、街へ出よ」といわれても……と戸惑う人もいるかもしれないが、難しく考える必要はない。昨今ではさまざまな勉強会が開かれているし、探せばセミナーや交流会も見つかるはずだ。そこで知り合った人たちの話に耳を傾けているうちに、自分とは異なるいろいろな考え方、多様な視点を得られるに違いない。
特に仕事について話をしなくても、自分と異なる文化の人が語ることの中には、はっとさせられることも多いだろう。相手がマネージャでなくてもいい。とにかく、自分と異なる文化、異なる場所にいる人と話してみるのだ。
私の友人は、社外のセミナーに参加したらグループワークなどで話した人と名刺を交換し、気の合った人とはメールやSNSで交流を続け、年に数回会っては互いの情報交換をしている。さらに彼女は、私にもそういった知り合いを紹介してくれる。おかげで、私もまったく異業種、異職種の方との交流が増え、勉強になっている。
例えば大学の教員を紹介され、イマドキの学生の考えや教員の仕事の幅広さを聴いた時には、「業界が異なると、同じ若い人を見る場合でも自分とはここまで視点が違うのか」と驚くいたものだ。
マネージャたるもの、内弁慶ではいけない。自分からどんどん社外に出て行ってみよう。自分の考えがすべてではないと、分かってくるはずだ。
グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/産業カウンセラー。
1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタル イクイップメントを経て、96年より現職。IT業界をはじめさまざまな業界の新入社員から管理職層まで延べ3万人以上の人材育成に携わり27年。2003年からは特に企業のOJT制度支援に注力している。日経BP社「日経ITプロフェッショナル」「日経SYSTEMS」「日経コンピュータ」「ITpro」などで、若手育成やコミュニケーションに関するコラムを約10年間連載。
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