スピード経営時代に効く、「アプリ・サービス開発」の新潮流
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» 2015年12月09日 07時00分 公開

現場の「ほしい」をすぐ実現:営業が作る業務改善アプリ、アジャイルで高速開発――三井住友海上の事例 (2/3)

[國谷武史,ITmedia]

Webアプリ化への取り組みも

 これまでに営業IT推進室がリリースしたワンクリックツールは数百本に上るが、その大半は現場の要望で生まれたものばかり。例えば、営業IT推進室が運営しているイントラのWebアプリ「ワンクリックツール目安箱」に、全国の社員が気軽に要望を書き込め、「いいね」ボタンを設置して賛同者の人数も把握できるようにしている。特に全社的に要望の多い機能やツールを優先して開発しているという。

ワンクリックツール目安箱

 例えば、総務部門の希望で営業IT推進室が開発したものの1つが、出張申請システム。従来は申請者が必要な書類をデータ化してメールで担当者に送付し、処理をしていたが、1通1通のメールを送るのも確認するのも煩雑な作業になっていた。そこで総務部とともに業務フロー化して、営業IT推進室でWebアプリを開発、アジャイル方式で改修を重ねてきた。「デザイン等の外観にはこだわらず、業務に役立つものは、素早く開発・リリースし、運営の中で改善を加えるスタンスですね」(馬頭氏)

 営業IT推進室ではマクロで多数のツールを開発してきたが、2012年頃に体制を強化して多数のシステム経験者が参加するようになった。「ITを好きな人間が集まってきたので新しいことにチャレンジしようという機運になり、Web化が1つの挑戦になりました」(馬頭氏)という。

 ちょうどその頃、ベンダーの展示会でキヤノンITソリューションズのWebアプリ生成ツール「Web Performer」を知り、使いやすさやマシン単位のライセンスなどにメリットを感じて、Web化の手段に採用した。現在でもマクロやVBAによる開発は多いが、Web Performerなどを使ったWebアプリの開発も推進している。上述のワンクリックツール目安箱、出張申請システムもWeb Performerで開発したものだ。

 例えば、いま全社的な利用を推進しているのが「新設ターゲットBank」というWebアプリだ。販売を増やすには、それを支える新規の代理店の開拓が不可欠であり、新設ターゲットBankでは都道府県ごとに見込み先がリスト化され、担当者や上長がその情報を閲覧したり、営業プロセスを入力して進捗を管理したりできるようにしている。

 「これまでもExcelなど使って見込み先のリスト化やその進捗管理をしていましたが、その運用やノウハウは拠点ごとにバラバラでした。人事異動などで拠点が変わると、その拠点での方法を新たに覚えないといけません。これを全社共通の仕組みにすることで、成果を挙げている拠点の事例を全国に横展開するといった質の向上を図ることができます」(松村氏)

 こうした機能は、SFAのパッケージソフトやSaaSなどのサービスではおなじみのものだが、その導入にはやはり多少なりとも時間やリソースが必要になるし、業務にシステムを合わせようとすればカスタマイズも避けられない。馬頭氏は、「使い勝手の悪い点でも、内製ならいつでも修正できますし、早ければその日のうちに修正してリリースすることも可能です」と話す。

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