スピード経営時代に効く、「アプリ・サービス開発」の新潮流

営業が作る業務改善アプリ、アジャイルで高速開発――三井住友海上の事例現場の「ほしい」をすぐ実現(3/3 ページ)

» 2015年12月09日 07時00分 公開
[國谷武史ITmedia]
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開発成果は見える化でも評価

 2015年4月〜9月に営業IT推進室が手掛けたツールやアプリは、新規開発が38本、メンテンスしたものが46本の合計86本に上る。このうちWebアプリは14本。メンバー40人のうち15人が開発を担当しており、1人あたり月に1本以上を担当している格好だ。

営業企画部部長 兼 営業IT推進室長の松村隆司氏(右)と営業IT推進室課長 ビジネス開発ユニットの馬頭陽介氏

 ワンクリックツールではログを利用して、使用回数や時間などを算出している。2015年4月〜9月の効果は約17万時間になったという。人件費としてみても「億」円単位への節減につながったようだ。

 ただし、この成果はあくまで可視化できる範囲での業務効率化の結果に過ぎない。実際には定量化の難しい情報共有や営業促進などのためのツールやアプリが貢献した販売などへの効果を加味すれば、この数字以上の成果を挙げていると推測できる。

 内製化コストの大半は15人の開発担当者の人件費になるといい、その数字以上の効果を挙げられているようだ。「開発したツールの数も増えていきますので、全体的な効果も増えていくものと思います」(馬頭氏)

 冒頭でふれたように、近年は「DevOps」と呼ばれるような新たなアプリ開発のスタイルが注目を集め、IT部門だけでなくビジネス部門がその中心的な役割を担うケースも目立つようになってきた。しかし馬頭氏は、営業IT推進室の活動が当初からこうした潮流を見越したものではなく、結果的なものだったと振り返る。

 松村氏は、「かつてなら業務の現場が希望しても本社がなかなか提供できなかったわけですが、開発環境が整ってきたことで要望に応えられるようになり、ビジネス部門にもできることがようやく社内に認識されるようになりました」と話す。アプリ内製化は同社だけでなくグループ各社にも知られるようになり、今後はこうした仕組みをうまく広げていきたいとしている。

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