2015年、お金をかけても手に入れるべき「いいもの」半径300メートルのIT(2/2 ページ)

» 2015年12月15日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]
前のページへ 1|2       

やっぱりちゃんとお金を出すべきもの、それは「セキュリティ」

 そして最後はやっぱり「セキュリティ対策ソフトウェア」。2015年に取材で聞いた話で一番驚いたのは、セキュリティ対策ソフトを作っているベンダーから発せられた「実はセキュリティ対策ソフトウェアへの移行はあまり進んでおらず、旧来のウイルス対策ソフトをそのまま使ってるところが多い」という話です。

 セキュリティ対策ソフトウェアも以前に比べるとかなり安くなりました。同じ価格で複数台利用が可能になったり、モバイル、クラウド利用ができるようになったりと、かなり進化している印象です。ランサムウェアの台頭で、おそらく2016年には上記バックアップの分野にまで機能が広がるのではないかと思っています。

 ポイントはやはり、「セキュリティ対策を自分のお金で手に入れること」。これはWebのバナー広告などで無料をうたう“ニセ”セキュリティ対策ソフトを余裕を持って無視できるという点と、自らの投資でセキュリティを考えるという点でオススメしたいと思います。著名なセキュリティ対策ソフトであれば、どのツールを選んでいただいてもかまいません。

 「そうはいっても、この前の『vvvウイルス』も見つけられなかったじゃないか。もうセキュリティ対策ソフトは無意味だよ」――そう考える方もいるでしょう。それでも、既知のマルウェアは見つけられますし、日々これらのツールも進化しています。ここ最近はあらかじめ指定したプログラム以外を起動させない、怪しい挙動のプログラムは起動させないなど「データ実行防止」(DEP)機能を中心にしたセキュリティ対策ソフトを導入する方も増えてきたようです。

 確かに未知の脆弱性を使った攻撃を防ぐのは難しいことです。しかし、最終的に情報を取られないようにする仕組みも、セキュリティ対策ソフトの機能の一つです。マルウェアが話題になると「〜〜は検知できなかった」「〜〜だけが反応した」ということに注目が集まりがちですが、攻撃は一瞬だけでなく、継続して行われるもの。各社とも対応は速いので、やはり「セキュリティ対策ソフト」は必ず入れておくべきだと私は考えています。ちゃんとお金をかけて、ちゃんと自分、そして家族を守りましょう。

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

デジタルの作法 『デジタルの作法』

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。

筆者より:

2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。

これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。みなさんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ