顧客から突然の仕様変更が――あなたならどうする?プロマネ1年生の教科書(2/3 ページ)

» 2016年03月08日 08時00分 公開
[岩淺こまきITmedia]

コンフリクトに対する“4つの対処法”

 人や物事で相いれない状態や衝突が起きていることを「コンフリクト」と言います。コンフリクトが起きたときの対処を整理すると、大きく4つのスタイルに分けられます。

  1. Win-Lose:自分だけが勝つ
  2. Lose-Win:自分が負ける
  3. Lose-Lose:両方とも何も得られない
  4. Win-Win:両方の納得が得られる

 1の「Win-Lose」は、自分が勝ち相手が負けるスタイルです。先ほどの選択肢だとAが該当します。相手の都合や背景を無視して“NO”を貫きます。「無理です」「ダメです」「できません」「仕様です」などの言葉が多く出やすいでしょう。

 Aになりやすいのは、実はプロマネではなくメンバー側。例えば、顧客との打ち合わせで「前回は問題ないとおっしゃっていた箇所じゃないですか」と反応したことはありませんか? 感情的な反応は、相手の感情を高ぶらせます。「機能追加くらい簡単だろう」「そんな簡単なものじゃないんです」と押し問答になり、無駄なコンフリクトを生み出します。顧客の前でなくても、プロマネとメンバー間でも出やすい形式です。

photo 自分と相手の勝ち負けで、コンフリクトへの対応は4パターンに分けられます

 2の「Lose-Win」は、自分が負けてその場を何とか治めるスタイルです。先ほどの選択肢ではBが該当します。

 「今回ははじめての取引だから言い値にします。次の取引ではコンペで当社を選んでください」などと“今回はメンバーに泣いてもらうという意思と説得する覚悟”をもって判断するのは、戦略的な負けということで悪くない選択なのですが、顧客との面倒な交渉や調整を避けるための“やります”はLoseといえます。

 3の「Lose-Lose」は一言で言うと“見て見ぬふり”。コンフリクトを「なかったもの」と見なします。着手しないので一見何も変化がないように見えますが、手遅れになると後々大きなコンフリクトに発展するケースも多いです。エンドユーザーからクレームが寄せられ、緊急タスクが追加されて帰れなくなった……そんな経験はありませんか?

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