第19回 Dockerで植物が育つ様子を自動録画してみよう――その3古賀政純の「攻めのITのためのDocker塾」(3/3 ページ)

» 2016年03月30日 08時00分 公開
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 以下は、筆者の自宅の録画サーバーで撮影した植物の様子です。

映像1:朝に葉が開く四つ葉のクローバー(動作環境:CentOS 7.1 + Docker 1.6 + Motion 3.3.0、録画日:2015年5月17日)
映像2:四つ葉のクローバーの新芽が下から出てくる様子(動作環境:CentOS 7.1 + Docker 1.6 + Motion 3.3.0、録画日:2015年5月18日)
映像3:手前はポリシャス、奥はミリオンバンブー(動作環境:CentOS 7.1 + Docker 1.8 + Motion 3.3.0、録画日:2015年8月20日)
映像4:ほとんど動きがないミリオンバンブー(動作環境:CentOS 7.2 + Docker 1.10 + Motion 3.3.0、録画日:2016年2月)

Web管理画面なら、マウス操作で簡単にサービス監視が可能

 Supervisorが提供するWeb管理画面にアクセスし、httpdとmotionの死活監視もテストしておきましょう。今回、コンテナのIPアドレスは「172.17.0.2/16」ですので、Supervisorが提供するWeb管理画面のURLは「http://172.17.0.2:9001」となります。コンテナmotion0001を稼働したまま、マウス操作でhttpdやMotionの起動、停止ができますので、非常に便利です。

SupervisorのWeb管理画面からhttpdとMotionの起動、停止、死活監視が可能

 Webカメラを使った植物の成長記録を録画するシステムをDocker環境で構築する方法をご紹介しました。ホストOSに接続されている周辺機器をコンテナから利用する際のオプション、ホストOSとコンテナの時刻同期、そして、ボリュームを使ったデータの保管など、Docker特有の知識が必要であることがお分かりいただけたかと思います。

 今回は市販の安価なWebカメラによる録画サーバの構築という個人の趣味レベルの単純な話でしたが、実際の企業システムでは外部ストレージへのデータ保管や企業内LANにおけるデータの共有方法、サービス監視など、Docker環境への移行可否を多面的に検討しなければなりません。「既存のさまざまなアプリをDocker環境に移行するのは、まだ手間がかかりそうだしハードルが高い」と感じる方が多いかもしれませんが、いったんアプリ環境をDockerコンテナ化できれば、再構築や別のDocker環境への移植も非常に楽になります。また、不要なプロセスも稼働しなくなります。システム全体の軽量化と集約率の向上も大いに期待できますので、ぜひDockerコンテナ化に挑戦してみてください。

古賀政純(こが・まさずみ)

日本ヒューレット・パッカード株式会社 オープンソース・Linuxテクノロジーエバンジェリスト。兵庫県伊丹市出身。1996年頃からオープンソースに携わる。2000年よりUNIXサーバーのSE及びスーパーコンピューターの並列計算プログラミング講師、SIを経験。2006年、米国HPからLinux技術の伝道師として「OpenSource and Linux Ambassador Hall of Fame」を2年連続受賞。プリセールスMVPを4度受賞。現在は日本HPにて、Linux、FreeBSD、Hadoopなどのサーバー基盤のプリセールスSE、文書執筆を担当。Red Hat Certified Virtualization Administrator, Novell Certified Linux Professional, Red Hat Certified System Administrator in Red Hat OpenStack, Cloudera Certified Administrator for Apache Hadoopなどの技術者認定資格を保有。著書に「CentOS 7実践ガイド」「Ubuntu Server実践入門」などがある。趣味はレーシングカートとビリヤード。

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