長期休暇を前にJPCERT コーディネーションセンターが企業のシステム管理者と社員へのセキュリティの確認事項を紹介している。
4月下旬からの大型連休を控え、JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)が長期休暇におけるセキュリティ対策の確認事項を企業のシステム管理者や従業員向けに照会している。休暇中は管理者が不在になる場合も多く、万一の事故に備えた準備や緊急時の連絡や対応体制などを確認してほしいと呼び掛けている。
管理者不在となりがちな長期休暇中ではサイバー攻撃による被害が発生しやすく、2015年の日本年金機構で発生した攻撃被害もゴールデンウィーク直後に発覚した。JPCERT/CCでは特に、ランサムウェア感染やSQLインジェクション攻撃を挙げている。
システムやデータを使用不能にして金銭を要求するランサムウェア攻撃は、国内では2015年後半から多くの被害が発生する状況にある。主な感染経路は偽装メールの添付ファイルや改ざんされたWebサイトなど。感染すれば、バックアップデータから復旧させるしかほとんど術がない。
対策では感染を防ぐために脆弱性をできる限り解消し、セキュリティソフトを最新の状態にする。万一の感染に備えてデータを必ずバックアップし、バックアップデータも物理的に隔離してランサムウェアの影響を回避するようにしておく。
また、SQLインジェクション攻撃ではデータベースへの不正侵入で機密情報が盗まれたり、Webサイトを改ざんされたりする恐れがある。対策としては(1)データベースのユーザー権限を最小にする、(2)Webアプリケーションを最新にする、(3)Webに使用している製品のサポートを確認して終了しているなら代替策を検討する――などがある。
休暇の前後でシステム管理者と社員や従業員がチェックしておくべきセキュリティ項目は以下の通りだ。
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