第16回 旅行の準備が早い人はデータの管理もうまい? スマートな技とその極意クラウド社会とデータ永久保存時代の歩き方(2/3 ページ)

» 2016年06月08日 08時00分 公開

データをスマートに管理する5つの習慣

 旅行での荷造りをうまくするように、データを上手に管理していく上では次の5つの習慣をみにつけていくことが大切です。

1.優先順位を決める

 常にデータの重要度を意識してデータを管理すると、その都度データの保存先を迷わなくて済みますし、後で探すのも簡単になります。大事な情報は複数のコピーを分けて保存し、それ以外は大きなストレージプールにそのまま保存しておいて、必要に応じて検索して見つけるという方法もできます。先ほど紹介したWebの公開データはリンク集で管理するということも身軽になるためのテクニックです。

2.保存先を決める

 もし複数のデータ保存先(ストレージ製品やサービス)があれば、「階層管理」を考えてみるのも良いでしょう。頻繁にアクセスするデータは高性能ストレージに、そうでもないものはネットワークストレージやクラウド、ほとんどアクセスしないけど長期保管が必要なもの、あるいはセキュリティ対策としてオフラインで保管したいものはテープメディア、という具合です。

3.パターン化する

 「このカテゴリーのデータはここに保存」「○○日後にはアーカイブストレージに移行する」といったパターンを何種類か決めておくと、データの仕分けが簡単になります。これをテンプレートとして常時意識すれば、その情報がなぜ、どれくらいの期間必要なのかを判断できますし、後で検索しても見つからないといった事態も減るでしょう。

4.ルール化する

 データには“鮮度”があり、時間とともにアクセス頻度が下がっていくものがほとんどです。例えば、メールは生成から90日でアクセス頻度が最初の数%まで下がるという調査結果もあります。このような場合は、90日を超えたメールは自動的に別のストレージ階層に移動するという「ルール化」をしておくことで、データ管理の低コスト化、最適化が可能になります。このルールをもとに、自動的にデータを管理するソフトウェアの利用も効果的でしょう。

5.チェックリストを作成する

 以上のようなことを頭の中で意識していても、結構漏れがあったり、微妙に変わってきたりするものです。そうすると、検索で見つからないデータが出てきたり、大事なデータを消してしまったりということにつながりますし、データ探しに大量な時間を費やすことにもなりかねません。上記の4項目をまとめた基本的なポリシーだけでもよいですから、常に基準となる物差し――リファレンス――を決めて、チェックリストにしておくことをお勧めします。迷ったらそのチェックリストを見るだけでデータ管理方法を思い出せるので、労力をかけずに比較的高い効果が得られると思います。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ