アップルはボクらのプライバシーを本当に守ってくれるの?半径300メートルのIT(1/2 ページ)

プライバシー問題でFBIから受けたロック解除依頼を突っぱねたアップル。WWDC 2016の発表で、アップルのプライバシーに対する本気を垣間見た気がしました。

» 2016年06月21日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]

 2016年6月13日、アップルが開発者のためのイベント「WWDC 2016」を開催しました。

 iPhoneなどで使われているOSの最新バージョン「iOS 10」や、Macで使われる「macOS」などの新機能が発表され、その様子はITmediaでも多くのチャンネルでリポートしています。これらの発表からは、ITの力で世の中をよりよくしていこうというアップルの意気込みが感じられました。

 実は、深夜にこの中継を見ていて、思わずムムっとうなってしまった場面がありました。iOS 10の新機能を発表した後、その締めくくりという重要なタイミングで、アップルのクレイグ・フェデリギ上級副社長が発した「素晴らしい機能と“プライバシー”を提供すべし」という言葉です。

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“ネット接続なしの便利な機能”があり得ない時代に

 今や「デバイス」は、“ネットにつながっているのが当たり前”になりました。もし、あなたがPCを購入し、ネットにつながらなかったとしたら何ができるでしょうか。PCやスマートフォンで行う作業のほとんどが、“ネット経由で情報を見ること”から始まっているはずです。

 デバイスは、ネットを通じて情報を得る手段であると同時に、「ネットに情報を出力する」役割も持っていることを忘れてはなりません。例えばTwitterやfacebook、InstagramなどのSNSは自分の情報を出力しているよい例です。

 実はその他にも、「漢字かな変換」の情報や、自分の位置情報などもネットに出力しているものと考えられます。自分が書いたテキストの内容を元に、最近のトレンドを判断したり、変換の精度を上げるといった仕組みに、この出力履歴が使われているのです。

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