長く身売りを検討していた米Yahoo!が、通信大手のVerizonに主要事業を約48億3000万ドルで売却することで合意したと発表した。Verizonは昨年44億ドルで買収したAOLとYahoo!を合わせ(ブランドは残す)、コンテンツおよび広告事業強化を進める狙いだ。
米通信大手のVerizon Communicationsと米Yahoo!は7月25日(現地時間)、VerizonがYahoo!の主要事業を48億3000万ドル(約5138億円)で買収することで合意したと発表した。取引は2017年第1四半期(1〜3月)に完了する見込みだ。
Yahoo!は、検索、広告、ニュース、ファイナンス、スポーツ、約2億2500万人のMAUを擁するメールサービスなど、ほとんどの事業を売却し、ヤフー日本法人株の約35%と、中国Alibaba株の約15%は保有する。
VerizonはYahoo!のブランドを維持する。同社は2015年に米インターネットコンテンツサービス大手のAOLを44億ドルで買収しており、今回の買収はその延長とみられる。
Verizonのローウェル・マカダム会長兼CEOは発表文で、「ちょうど1年前、われわれはAOLを買収し、消費者、クリエーター、広告主のための包括的な接続環境を提供する戦略を拡大した。Yahoo!の買収はVerizonの世界のモバイルメディア企業としての地位を高め、デジタル広告の売り上げ推進を助けるだろう」と語った。
Yahoo!のマリッサ・メイヤーCEOは従業員宛の公開書簡でTumblrの公式ブログで、「個人的には、私は(CEOに)留まるつもりだ。私はYahoo!を愛しており、従業員の皆さんを信じている。私にとって、Yahoo!の次章を見るのは重要なことだ」と語った。
Verizon傘下のAOLのティム・アームストロングCEOは発表文で「VerizonとAOLとYahoo!を合わせれば、モバイルメディア市場で強力な新勢力となり、広告主やパブリッシャーにとってのオープンで大規模な選択肢になるだろう」と語った。アームストロング氏とメイヤー氏は米Googleで同僚関係だった。
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