Googleを傘下に持つ米Alphabetの4〜6月期決算は、売上高は前年同期比21%増の215億ドル、純利益は24%増の48億7700万ドルと、予想を上回る増収増益だった。モバイル広告が好調だった。
Googleを傘下に持つ米Alphabetは7月28日(現地時間)、第2四半期(4〜6月)の決算を発表した。AlphabetはGoogleが組織再編で設立した持ち株会社で、2015年10〜12月期からGoogleとその他の傘下企業の業績を分けて開示している。
Alphabet全体の売上高は前年同期比21%増の215億ドル、純利益は24%増の48億7700万ドル(1株当たり7ドル、非GAAPベースでは8.42ドル)だった。売上高、非GAAPベースの純利益ともに、アナリスト予測(売上高は207億6000万ドル、1株当たり純利益は8.03ドル)を大きく上回った。
AlphabetおよびGoogleのCFO(最高財務責任者)であるルース・ポラット氏は発表文で「われわれの素晴らしい第2四半期の業績は、モバイルや動画といった急成長分野への長年にわたる効果的な投資を反映したものだ。今後も多様な機会に着実に投資していく」と語った。
Googleの売上高は前年同期比21%増の213億1500万ドルで、前期同様にAlphabet全体の99%を占めた。営業利益は25%増の69億9400万ドル。検索と連動した広告の伸びを示すペイドクリック数は29%増加。前期比でも7%増だった。モバイル端末の普及とYouTubeのTrueView広告の影響で下落が続いているクリック単価(CPC、クリックごとに広告主がGoogleに支払う単価)は7%減、前期比で1%減だった。
Googleは米Facebookと異なり、広告のデスクトップとモバイルの内訳を開示しないが、ポラット氏は電話会見で、広告収入の増加にはモバイル検索の成長が貢献したと語った。
アプリストア(Google Play)やNexus端末などのハードウェアが好調で、売上高は33%増の21億7200万ドルだった。
その他(Other Bets)の売上高は150%増の1億8500万ドル、営業損失は前年同期の6億6000万ドルから7億900万ドルに拡大した。Google Fiberや“ムーンショット工場”Xへの投資が大きかった。ポラット氏は業績発表後の電話会見で、その他の売り上げにはNest、Google Fiber、Verily(旧Google Life Sciences)が貢献したと語った。
Googleのサンダー・ピチャイCEOは業績発表後の電話会見で、4月に公開した株主への書簡を踏まえた同社の取り組みについて説明した。当面の重点項目を、情報(Google検索など)、機械学習(さまざまなサービスで採用)、コンテンツ(Google PlayやYouTube)、プラットフォーム(Chrome、Android、今秋立ち上げのDaydream)、クラウド(Google Cloud Platformなど)、残りの40億人のための取り組みの6つとし、それぞれについて簡単に説明した。
プラットフォームの説明では、「素晴らしいプラットフォームをつくることで人々に素晴らしい体験を提供していく。例えば爆発的人気を博している(Androidアプリ版の)「Pokemon GO」がいい例だ。今この会見中にもプレイしている人(アナリスト)が何人かはいる気がするが」と語った(FacebookのザッカーバーグCEOのようにピチャイ氏自身もプレイしているかどうかは不明だ)。
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