今回計測に参加してくれた学生16人のPCでの入力文字数は256〜856文字(10分間)だったのに対し、スマホでの入力文字数は500〜1040文字(10分間)という結果で、PCに比べて1.01倍〜2.65倍の入力量を記録、平均でも1.67倍の文字数でした。スマホでは、全員が10分間で450文字以上を入力できるということになります。なお、スマホの方が入力文字数が少なかった学生のうち2人は、スマホでローマ字入力をしていました。
PCでは500文字程度でも、スマホでは1000文字以上を入力できる学生もいます。さらに、PCでは入力文字数が375文字程度だったある学生に至っては、スマホでは995文字というかなり速い文字入力ができるという結果でした。
ちなみに、日本情報処理検定協会の日本語ワープロ検定試験での速度目安としては、「10分間の入力文字数は2級500文字以上、1級700文字以上、初段800文字以上」です(ただし、漢字含有率や、ミスによる減点文字数は各級によって差があります)。
この結果を見た私は、「スマホでこれだけ早く入力できるなら、この能力を活用すべきでは?」と思ったのです。
もちろん、PCでしか利用できない機能やソフトウェアを考えると、PCが使えないのは困りますが、単純に文字入力だけならスマホで能力が発揮できるわけです。彼らにとって、この能力をPCで実現するためにはそれなりの訓練時間がかかりそうですし、持てる能力を生かすのもありなのではないかと思うのです。
もちろん、会社で勤務時間中に私用のスマホを使われても困るので、社用のタブレット端末や携帯(スマホ)を使ってもらうのが良いかもしれません。
それぞれが持っているスマホの機種が違うので“一斉に研修”というわけにはいきませんが、PCリテラシーと併せてスマホのリテラシーを強化していけば、彼らはもっと能力を発揮してくれるかもしれません。
賛否両論ある問題ですが、私個人としてはスマホでリポート作成は「あると思います!」(もうかなり古いですね)
企業や専門学校で講師をしています。システムエンジニアの経験を生かし、IT系の研修から、ヒューマスキル系の研修まで幅広く担当しています。活動キーワードはコミュニケーション。詳しいプロフィルはこちら。
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