東京スター銀行は、オムニチャネル化の一環としてコールセンターシステムと顧客情報管理システムを一元化するリニューアルを実施した。システム刷新の先にどんな未来を描こうとしているのだろうか。
Webサイトやメール、電話などのさまざまな顧客接点を活用して収益化につなげる「オムニチャネル」が企業のマーケティン分野で注目されるようになって久しい中、東京スター銀行がオムニチャネル化の一環として、コールセンターシステムをリニューアルした。新たな設備は、顧客とのリアルなコミュニケーションの場につなげるためのシステム担当者の“こだわり”が反映されている。
東京スター銀行は首都圏を中心に全国32拠点を展開し、2012年頃からオムニチャネル化に取り組む。第一段階ではWebサイトと顧客情報管理システム(以下、CRMシステム)を接続。資産運用などの相談を希望する顧客が営業店への訪問予約をWebサイトからできるようにし、顧客とのコンタクト履歴、やり取りでの内容などをリアルタイムにCRMシステムへ反映させるようにした。
コールセンターシステムのリニューアルは、この第二段階にあたる。2014年11月にプロジェクトを立ち上げ、2016年1月に本格運用をスタートさせた。リニューアルではCRMシステムとコールセンターシステムを一元化し、個々に異なる顧客ニーズを予測分析しながら即応できる体制を実現しているという。
同行では、全国の顧客からの電話による問い合わせや相談にコールセンターで一括して対応している。システム企画を担当した個人金融部門 イーバンキング部長の前田浩氏によると、今回のリニューアルは、コールセンターから営業店というリアルな顧客接点への流れを強化することを目的だった。メガバンクや地方銀行などの営業店は全国各地にあり、顧客も足を運びやすい。しかし、同行の営業店は主要都市に所在するため、「電話やWebからリアルな場に、いかに送客できるかが重要になってきます」という。
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