IDベースのセキュリティソリューションを展開し、ICT環境のセキュリティ強化とデジタルトランスフォーメーションの実現を支援する。
ラックと日本マイクロソフトは11月2日、「IDベースドセキュリティソリューション」の提供で協業すると発表した。デジタル技術の普及で懸念されるユーザー情報のセキュリティリスクに対応するためとしている。
協業の背景は、IoTの普及によるデバイスの多様化やオフィス以外の場所での勤務機会の増加など、最新技術を活用して事業構造を変革する「デジタルトランスフォーメーション」を進める上でセキュリティ対策は課題となり、特にクラウドの利用拡大に伴い、ユーザーやデバイスのIDベースで行う必要性が高まっていることがあるという。
協業ではラックのセキュリティコンサルティングおよび監視サービス(JSOC)と、マイクロソフトのID管理のスタンダード「Active Directory」およびクラウドベースの「Azure Active Directory」を組み合わせ、標的型攻撃などに対応したIDベースのセキュリティソリューションを提供し、デジタルトランスフォーメーションの実現を支援するという。両社は今後1年間で50社への導入を目指す。
具体的には、マイクロソフトは、パートナー企業のクラウドビジネス立ち上げを支援する部門「プラクティスディベロップメントユニット(Practice Development Unit:PDU)」によるビジネス開発や技術支援を実施。ラックは、マイクロソフトが提供するパートナープログラム「クラウドソリューションプロバイダー(Cloud Solution Provider:CSP)プログラム」に参加し、「Microsoft Enterprise Mobility + Security(EMS)」に加え、Office365などのクラウドサービスも合わせて展開し、包括的なセキュリティソリューションを提供するという。
さらにラックは、マイクロソフトが提供するEMSを中核としたコンサルティングサービスや、JSOCによる監視・運用を代行するマネージドサービスを開発し、導入作業も含めたワンストップサービスを提供するとしている。また、ラックは自社システムにEMSを採用して、セキュリティサービスとしてのEMSの有効性と利便性を評価し、社内実践で得たノウハウを今後のソリューション開発に生かしていくと説明している。
加えて両社は、Office 365などのクラウドサービスのユーザーやセキュリティの強化を検討中している顧客に対して、セミナー開催など、セキュリティに関する理解促進活動を共同で実施するという。
働き方改革では社外からの安全なクラウド活用が重要になるため、不正利用やマルウェアの感染拡大を防ぐ手だてとして大きな効果を発揮するIDベースのセキュリティ対策は、包括的な監視・防御サービスと組み合わせたソリューションとして、今後も多くの企業に注目されていくだろう。
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