社長室突撃企画第1弾。ワークスタイル改革を推進していることで知られる日本マイクロソフトに、“社長室で始まった改革”があるのをご存じだろうか。
日本マイクロソフトの社長を務める平野拓也氏の社長室にある「スタンディングデスク」。これは、同氏が社長に就任した2015年7月から約1年が経過した2016年8月、社長室のリニューアルを機に導入され、同氏の強い意思が反映されたものだという。
企業の社長を取材したり、オフィス家具メーカーの取材で先端オフィスの事例を聞いたりする機会も多いのだが、社長室にスタンディングデスクを導入したという話は初めて聞く。日本企業の社長室としては、異例ともいえるものではないだろうか。
実は2015年7月の社長就任直後に、平野社長のオフィスを見せてもらったことがある。その際に平野氏は、東欧を担当していた時代に培った「ペーパーレスの仕事の手法」を継承していると話していた。
社長室の机の上には紙の書類が1枚もなく、平野氏はSurfaceだけが置かれた空間で仕事をしていた。あまりにも何もない部屋だったので、「これで全部ですか?」と思わず聞いてしまったのだが、平野社長は、「味気なくてすみません」と笑っていたことを思い出す。
今回、あらためて社長室を訪れた際にも、当時のスタイルがそのまま引き継がれており、社長の机の上には紙は一切ない。そんな社長室の会議スペースに、新たに設置されたのがスタンディングデスクだった。
ミーティング用の机は、上下に昇降する2つの机を組み合わせており、基本的には立ったまま会議ができるような高さに設定している。座って会議ができるように椅子も用意されているが、使われることはほとんどないという。
社員の中には、平野社長が社長室に戻るまで立って待ったらいいのか、それとも机の高さと全く合わない椅子に座って待ったらいいのか悩む人もいるようだが、椅子は使わないスタイルが基本だ。例外は、予算会議のように長時間に及ぶ会議だけだ。
12月に実施した下期計画の会議では「クリエイティブな作業がほとんどないため、座って3時間に渡る議論をしっかりと行った」というが、スタンディングオフィスを導入して以来、机を下げたことはほとんどなく、「9割以上は立ったままの会議。社長室での打ち合わせは立ったままというのが基本になっている」という。
平野社長はなぜ、社長室に「スタンディングデスク」を導入したのだろうか? 平野社長は、「働き方改革を推進する中で、もっとできることがあるのではないかと思ったのが発端だった」と話す。
日本マイクロソフトは、働き方改革に率先して取り組んでおり、まずはテレワークの導入によって「いつでも、どこでも働くことができる環境」を実現した。続いて、他社を巻き込んだ「働き方改革週間」を実施。2016年10月に開催した「働き方改革週間」では、日本マイクロソフトの呼び掛けに833社が参加し、それぞれの立場で新たな働き方を模索したり、働き方改革を支援するサービスを創出したりといった取り組みを行った。
こうした流れの中で「もっと何かできないか」と思ったことが、スタンディングデスクの導入につながったのだ。
「立って仕事をするのか、座って仕事をするのかということは、アナログな部分ではあるが、“それによって会議の仕方や仕事の仕方がどう変わるのか”という部分に興味があった。何かをお手本にしたわけではないが、スタンディングデスクの導入によって、働き方が改革できるのではないかという直感があった」と平野社長は振り返る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.