HoloLensで日本企業はどう変わる? 自民党のIT戦略特命委員長が体験Microsoft Focus(1/2 ページ)

ヘッドマウントディスプレイ型デバイスを装着すると、現実空間に3Dの物体が浮かび上がり、つまんだり動かしたり、中を見たり、操作したりできる――。そんなマイクロソフトの「HoloLens」を体験した議員たちの感想は?

» 2017年03月11日 08時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

 3月8日、自由民主党IT戦略特命委員会の議員3人が日本マイクロソフト本社を訪れ、Windows Mixed Reality対応のヘッドマウントディスプレイ「HoloLens」を体験した。ARともVRとも異なる、MR(Mixed Reality)を実体験し、教育分野や中小企業をはじめとした活用の可能性を探った。

教育分野での活用などに期待

 日本マイクロソフト本社を訪れたのは、自由民主党に所属する衆議院議員でIT戦略特命委員長を務める平井卓也議員、IT戦略特命委員会事務局長を務める福田峰之議員、事務局次長を務める牧島かれん議員の3人。これまでも、Windowsの最新バージョンやサイバーセキュリティに関する技術説明などで、IT戦略特命委員会と協力関係にあった日本マイクロソフトは今回、HoloLensを最適な環境で体験してもらうため、本社で説明を行った。

Photo  自民党IT戦略特命委員会が日本マイクロソフトを訪問
ALTALT 左: HoloLensについて身振りしながら説明する日本マイクロソフトの平野拓也社長 / 右: 自民党IT戦略特命委員会の委員長を務める平井議員

 日本マイクロソフトの平野拓也社長と樋口泰行会長、パブリックセクター担当の織田浩義執行役員常務、Windowsデバイス本部長の三上智子業務執行役員らに出迎られた3議員は、HoloLensの狙いや日本での販売状況の説明を受けた後、実際にHoloLensを体験した。

Photo  平野社長や樋口会長などが参加して、平井議員、IT戦略特命委員会事務局長を務める福田峰之議員、事務局次長を務める牧島かれん議員説明を行った

 平野社長は、「今やマイクロソフトは、WindowsやOfficeの会社というだけでなく、クラウドやAI、IoTに関する要素技術を開発し、それを仕事や生活の中でいかに使ってもらうかに力を注いでいる」と説明。中でもHoloLensは、バーチャルとリアルを融合したMRを実現するデバイスであり、プロトタイプが登場したときから高い関心を集めていると紹介した。

 ニーズについては、「教育現場や製造現場、保守現場、工事現場などでの活用に向け期待が高まっている」とし、AIなどとの組み合わせによって進化する要素技術の1つでもあり、「今後の日本の経済に貢献できる」(平野社長)と自信を見せた。

 説明を受けた平井議員は、「教育分野でHoloLensを活用できないかと考えていた。党内でも遠隔教育の導入には慎重な意見があるが、新たな技術を活用することで教育分野の改革につなげたいと考えている」と話す。また、少子高齢化が進む日本では、ITでさまざまな課題解決に取り組めるとし、「ITを使ってデータを有効活用する社会にしていかないといけない」と意気込んだ。

 「情報社会の根幹を支えるセキュリティの重要性を考えてサイバーセキュリティ基本法を作り、AIやIoTの分野で注目されるデータの効果的な活用を促進するため、官民データ活用推進基本法(官デ法)を作ってきた。これはいずれも議員立法であり、今後もIT戦略特命委員会では、時代に先駆けてこうした法律の制定を行い、これからの社会を支援していきたいと考えている。今、日本の1人あたりのGDPは世界で26位、成長率は160位だが、やり方によってはまだまだ順位を高めることができる。働き方改革もその1つであり、ITの活用で社会が元気を取り戻すことになる」(平井議員)

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