Watsonが旬の食材やレシピを教える営業支援システム――食材卸の西原商会が導入

食材卸専門商社の西原商会は、IBM Watsonを活用し、自社商品に関する質問を話し言葉で入力すると自動で回答する営業支援システムを導入。営業の提案力強化と業務の効率化を図り、顧客満足を追求するという。

» 2017年04月11日 09時10分 公開
[ITmedia]

 日本IBMは4月10日、外食産業向けの食材卸専門商社である西原商会がIBM Watsonを活用した営業支援システムを導入し、4月1日から稼働したことを発表した。

 鹿児島市に本社を置く西原商会では、食品アレルギー、産地やトレーサビリティーの明示、ベジタリアンやハラールといった多様な消費者ニーズに対応するため、自社商品の情報やそれらを使用したレシピ情報、一般的な食材の基礎情報などを営業向け社内Webシステムに蓄積してきたという。

 新システムは、従来の社内Webシステムに加えて、10万以上の食材の情報や過去の問い合わせ回答などをIBM Watsonに学習させ、営業担当者がPCのチャット画面に入力した質問に対し、一部を自動応答できるようにしたもの。Watsonの「Natural Language Classifier(NLC)」機能で自然言語を解釈し、導き出した回答をチャット画面に表示すると同時に、Watsonの「Text to Speech」機能で音声を合成して出力する。

 例えば「春の弁当に最適な食材の組み合わせは?」といった顧客からの問い合わせを自然な話し言葉でチャット画面に入力すると、春に旬を迎える食材とその食材を使ったお弁当に適したメニューを提示する。

 従来はこうした営業からの問い合わせには商品企画部が直接対応し、長い場合で回答に2日かかっていたが、新システムでは即座に回答を得られるようになり、業務効率が2割向上。営業担当者が即座に適切な提案を行えるようになったことで、売上の向上も見込めるとしている。

 西原商会では今後、同システムと基幹システムとを連携させ、客先での食材提案から受注処理までをシームレスに行える仕組みづくりを目指す。また、生産者やメーカーと連携し、顧客の要望を食品の生産、開発、加工へとつなげていくことで、消費者ニーズに合った食品を届ける循環を整えていくという。

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