営業部門のデータを“真っ裸”にしたら、全員のモチベーションも成績も上がったデータのじかん(3/3 ページ)

» 2017年12月06日 07時00分 公開
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 久我さんは、マネジャーの役割を「成果が上がる組織をデザインすること」と定義します。「組織は、時計のゼンマイみたいなもの。必要な要素が1つでも欠けると、全体が回らなくなってしまう」という久我さんが特に大事にしているのは、メンバー一人ひとりが納得感を持って気持ちよく働ける環境。情報の透明性を高め、部門と自分自身が今置かれている状況が分かるようにすることに加え、予算目標の作り方も重視しています。

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 「予算というのは、メンバーを導いていくためのすごく大事な指標だと思っています。不公平感が出ないように、ロジカルに、担当する商材やマーケットの大きさなど、営業の難易度によって全員に納得感のある予算を立てます。そして、予算は、期中であっても状況に応じてどんどん変えていきます。例えば特定の部門の売上が突出したため組織全体の目標を大幅に超えるような見通しが立った場合は、他部門の予算を減らすなど、調整を細かくやっていきます。また、普段は飲み会はそれほどしないのですが、部門全体として予算を達成したときには少し豪華にホテルでおいしいものを食べに行くなどしてねぎらいつつ、ざっくばらんにコミュニケーションできる時間をとります。チームとしてよりよい空気をつくっていき、皆で予算を達成することが大事であると考えており、皆に伝えるようにしています」

 何によって行動を促されるかは、人それぞれ。また、人間は常に合理的な判断ができるとは限らない。だからこそ、常に共通の指標となるデータをみんなの目に見えるようにすることが重要だと、久我さんは話します。

 合理性を重視しつつ、合理的なだけではない人間の心理にも着目するマネジメントスタイルにたどりついた背景には何があるのか――。後編では、久我さん自身の成長の軌跡を、詳しくお聞きします。

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