いまや「eラーニングは情報共有システム」

eラーニングとは単なるツールではなく、社員らがさまざまな情報や知識、経験を共有するためのシステムだ――NTTラーニングシステムズの小松秀圀氏が語った。

» 2005年07月20日 22時31分 公開
[長谷川玲奈,@IT]

 NTTラーニングシステムズ 総合研修事業部 企画調査室長 小松秀圀氏は7月20日、開催中のイベント「e-Learning WORLD 2005」(e-Learning WORLD 2005実行委員会ほか)で講演し、「eラーニングとは単なるツールではなく情報共有システム」と語り、企業の発展に欠かせないシステムであるとの見解を示した。

小松氏 NTTラーニングシステムズ 総合研修事業部 企画調査室長で、日本イーラーニングコンソシアム会長の小松秀圀氏

 小松氏は、日本でのeラーニングはまだ4分の1くらいの力しか発揮できていないと語る。とはいえ「エプソンやリコーなど、eラーニングをトータルに活用する企業も出始めた」。また、セキュリティやコンプライアンスなどの分野では「全社員にきっちり教育を行って成果を出す必要があるため、eラーニングを使わなければならないとの認識が出てきた」という。

 小松氏によると、eラーニングとは「教育コンテンツから知恵・業務情報までをシームレスに提供するシステム」。今後の経済を支えていくのはプロフェッショナルなワークであり、それを達成するためには高度な知識、最新の情報、実践的な知恵が必要。さらに、激しく変化し続ける情報を扱うことも重要で、これらに貢献するのがeラーニングであるという。

 eラーニングの先進国である米国では、eラーニングに対する信頼が厚く、「使いこなすことによって自社のIT化が進むと考えている」。社員やパートナー、学生向けのeラーニングを積極的に展開している米Cisco Systemsは、人材開発には経験を積ませることが最も効果的であり、そのために先輩の経験や知識を情報として共有するシステムとしてのeラーニングが重要であるとの考え方を持っているという。

 小松氏は、ユーザー企業がeラーニングを導入する際のコツとして「単なる学びではなく、ビジネスにとってインパクトのある内容、システムでないと生き残れない」「業績への寄与がなければ評価はされない」などのポイントを挙げた。

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