「携帯で勉強する」なんて無理なのか?

» 2005年05月10日 13時33分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 携帯のe-ラーニングを活用して、どこでも学習する。こう聞くと便利に思えるが、市場はいまひとつ立ち上がらないままだ。

 4月末にNTTドコモやKDDI、ボーダフォンなど携帯関連企業が集まって開催された「ユビキタスラーニング推進協議会」の会合では、各社担当者が口々に厳しい現状と、積み残された課題を話した。

携帯の利用法としては少ない「e-ラーニング」

 「いかにして、(e-ラーニングを)ネットゲームなみに持っていくか」。そんな風に話すのは、KDDIで携帯向けe-ラーニングを担当する技術開発本部、開発推進部の伊藤篤氏だ。

 携帯は多くのユーザーに普及しているし、どこでも持ち運べる。「携帯が身近なゲーム端末だ」と言われることが多いが、同じ視点で「携帯は身近な学習端末」と考えられるわけだ。たとえば電車で移動中、ちょっと空いた時間に暗記学習をしたり、復習を行ったりといったことが可能になる。

 しかし実際には、ユーザーは携帯を主にエンターテインメント用途で利用している。総務省の通信利用動向調査でも、携帯の使い道として「音楽のダウンロード」「ネットゲーム」などは比較的上位にくるが、「通信教育の受講(e-ラーニング)」は最下位という結果が出たことがあった。携帯での学習は、ユーザーに根付いていないのが現状だ。

 伊藤氏はまた、教材流通市場が未成熟だ、とも話す。

 「プラットフォームごとに、教材を抱え込んでいる。このため良質な電子化教材が不足している」。学習者ごとにカスタマイズした教材を提供したいが、なかなか難しいのだという。

 NTTレゾナントからの出席者は、そもそもWebなどを利用したe-ラーニングコンテンツは意外に扱いが難しいのだと指摘する。運営側にとって、「教材をサーバにアップしておけばいい」という手間のかからないビジネスかと思いきや、それではユーザーがすぐに飽きてしまい、効果も上がらないのだという。

 継続して学んでもらうには、人を介してカウンセリングをするなど、ユーザーとなんらかのコミュニケーションをとる必要がある。また、単なるe-ラーニングでなく、エンターテインメントの要素を含めた「エデュテイメント」でないと厳しいというのが、関係者の見方だ。

ニーズがあるのは語学

 とはいえ、現時点でももちろんニーズはある。ボーダフォンのイノベーションマネジメント部、藤原禎之氏はボーダフォンライブ!の“学ぶ”カテゴリには4月1日時点で28のコンテンツが揃っていると話す。

 需要が高いのはやはり、「ほぼ語学系」(藤原氏)。一番人気は英語で、単語、文法、会話、TOEICなど各種コンテンツが揃っているほか、親子で利用できる子供向けコンテンツも用意されている。ちなみに、英語以外で意外に人気があるのが「日本語」。日本への留学生などが利用するケースが多いという。

 KDDIでは、携帯による語学学習の方法として「テーラーメード英語教育」を提唱している。

 たとえば、CNNの英文ニュースからテキストを抜き出し、空所補充問題を自動で生成するという技術を活用したい考え。具体的には、言語教育知識エンジンを利用して「文章のどこを空欄にするか」を決定し、辞書データベースを活用して選択肢を生成するといった方式だ。

 このやり方なら、元になる英文を好きなジャンルに限定することで、個人の好みにあった問題を作成できる。最新のニュースをチェックしながら、英語学習を行えるのではないかという。

 とはいえ、CNNの英文を利用しようとすれば著作権の問題をクリアにする必要がでてくる。前出の伊藤氏は、実はKDDIとしてCNNなどに交渉するのは、まだこれからの段階なのだとした。

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