人間よりも精度が高い「ダイヤモンド鑑定AI」 その仕組みとはGWエンプラこぼれ話(2/2 ページ)

» 2018年05月02日 09時45分 公開
[池田憲弘ITmedia]
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味の素が1年かけて開発した「献立提案AI」

photo 味の素が開発した献立提案システムの仕組み

 味の素が2018年3月に公開した「献立提案AI」もプロの判断を基に生まれた人工知能だ。自社レシピサイト「AJINOMOTO PARK」において、サイト上でユーザーが1品のレシピを選ぶと、主菜、副菜、汁物から適切な2品を加え、計3品の献立として提案してくれる。

 レシピ名、食材、栄養成分など、同社が蓄積した約1万レシピのデータベースを活用し、栄養基準や季節、調理器具の重複制限、料理ジャンルの統一といった要素のほか、彩りや味のバランスといった、感覚的な要素も踏まえたのが特徴だという。

 彩や味のバランスについては、「栄養士などの資格を持つ担当者が、数値化や言語化できないことも含んだ形でOKかNGかをラベル付け」(味の素)しているとのこと。これを教師データとして学習させているそうだ。今後もシステムが出してきた献立案に対し、担当者がジャッジをし続けることで、精度を高めていく考えだ。

 同社によれば、このシステムはグループ会社の協力の下、自社で開発しており、開発期間は約1年だったという。

 サリネ・テクノロジーと味の素、両者の事例に共通するのは、判断基準が曖昧だったり、個人差があったりして、数値化しにくいような問題に対して、熟練者の判断や感覚を教師データとし、機械学習を用いたアプローチで精度を高めていこうとしている点。TensorFlowを用いたきゅうり分別の事例もコンセプトはほぼ同じだ。

 (一般人が分かるような形で)数値化できないが故に、精度が100%になることはないものの、これまでデータ化や分析の対象とならなかったものを“強引”にデータ化し、ビジネスチャンスを見いだす方法として、機械学習というのは、非常に有効なアプローチといえるだろう。

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