創業65年、AIで生まれ変わる箱根の老舗ホテル その成功の要因は?より多くの顧客に高級旅館並みのサービスを(4/4 ページ)

» 2018年10月22日 09時00分 公開
[柴田克己ITmedia]
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機械学習は、新たな「おもてなし」の知見を生み出すか?

 原氏は、今回導入したAI対応FAQの活用範囲を、今後はさらに拡大していきたいと話す。既にテストを始めているのは、客室内に設置されたテレビで視聴できる館内情報チャンネルとFAQとの連携だ。スマホ版の館内コンシェルジュと同様に、宿泊客のプランや時間帯に合わせた情報提供を考えているという。

 また、FAQとMAを組み合わせて、旅行前の計画、比較検討、予約、旅行中、旅行後といった各フェーズでタイムリーな情報提供を行ったり、館内での顧客行動やスタッフ対応などに関するデータと組み合わせて、機械学習から顧客満足度の向上につながる新たな知見を導き出したりといったことができないかを構想中という。

photo AI型FAQの次は、AWSやディープラーニングなどの活用を考えているという

 現在、ホテルおかだでは「Oracle Service Cloud」の他、「Salesforce Pardot」「Amazon Web Services」「Microsoft Cognitive Services」など、さまざまなベンダーのクラウドサービスや技術を複合的に活用している。原氏は、AIをビジネスに生かすに当たっては、それぞれに特長があるサービスについて知り、それらをつなぎ合わせてデータを見ていくことが重要だとした。

 「ビジネスに対する知見と、新しい技術に対する知識を基礎に、それらをAPIベースでつなぎながら出てくる結果を見てみることが、AIを活用するアイデアの源泉になります。現在のシステムは、多様なサービスや技術の組み合わせで構成されていますが、一番長く使っているSalesforceでも3年ちょっと。次々と出てくる新たなものを試しながら、使えそうなものをつなぎ込んで、新しい仕組み作りに挑んでいます。今後も旅館業として、AIを顧客満足度の向上に貢献させていく取り組みを続けていきます」(原氏)

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