RPAを試しに使ってみたい……けど、結局どのツールを選べばいいの?RPAで始める業務自動化のススメ(6)(2/3 ページ)

» 2018年10月25日 08時00分 公開

「オンライントレーニングの充実」も選定のポイントにしよう

 RPAソフトウェアを入手できたら、次は使い方の勉強です。もちろん、直感的に使えるに越したことはないのですが、現時点でマニュアルやトレーニングなしに使える製品はないと言っても過言ではありません。また、RPAは注目されてからまだ日が浅いため、書籍も少ないのが現状です。JavaやAIといった分野のように、書籍で独学というのも難しいでしょう。

 そうなると重要なのが、ソフトウェアのメーカーが提供している教育手段です。最近では、YouTubeなどの動画サイトに使い方がアップロードされていたり、使い方を紹介する個人ブログもあったりしますが、ソフトウェアメーカーの教育制度が充実しているかどうか――特に無料で提供されるコンテンツがどの程度あるかは非常に重要です。メーカーによっては全くない場合もありますし、結構な範囲を無償で提供しているソフトウェアもあります。

photo 現時点では、マニュアルやトレーニングなしに使えるRPAソフトウェアはないと言っても過言ではありません

 これは、前回の記事でもお話ししましたが、情シスやエンジニアだけではなく、業務を自動化したいビジネス部門をターゲットとして考えているかどうかを示す一つの指標になります。

 従来のシステム開発のように、ITベンダーに導入を全て任せていればいいなら、わざわざエンドユーザー向けに開発方法を教える必要はありません。教育コンテンツを無償で広く提供することは、そのソフトウェアを一人でも多くの人に使ってほしい、というメーカーの姿勢や戦略の表れといえるでしょう。

自分の業務を1つ選び、RPA化にチャレンジしてみる

 試用版のソフトウェアも手に入れ、マニュアルや有志のブログなどを参考にソフトウェアを実際に動かしてみた方は、実際に自分の業務で本当にRPAが役に立つのか、試してみたくなるでしょう。ただし、自身の業務で実際に試すには、越えなくてならない壁がいくつかあります。

 まず、先ほども触れた通り、会社貸与のPCに未許可のソフトウェアをインストールすることを禁じている企業は多く、その場合は、IT部門などの管轄部門にインストールの許可を得る必要があります。ヘルプデスクや知り合いのIT担当者などを通じて、手続きを確認しましょう。

 ソフトウェアをインストールできたら、実際にRPA化する業務の選定に進みます。もともとRPAに興味を持った方なら、自動化したい業務のイメージがあると思いますが、まずは、簡単に始められるところから効果を実感することが大切です。決まった手順で作業ステップが短く、繰り返しの多い、できれば毎日実施するような業務が対象として有望でしょう。

 たとえ毎日30分の作業でも、1カ月で10時間、1年なら15日に相当する時間が節約できます。そして、開発を進める中で仮に誤動作しても大丈夫であること、つまり自身の業務内で完結し(他人の業務に影響がない)、やり直しが簡単にできる作業が安全です。

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