実際に開発を進める段になると、RPAの開発と通常業務のバランスも重要になってきます。企業文化にもよりますが、上司をはじめ、関係各署の了承を得て、RPAの開発を業務として正式に認めてもらった方がさまざまな場面で動きやすくなるでしょう。何をやるにも、味方は多い方がいいのです。
では、どうやって上司や関係各署の了承を得ればいいのでしょうか。一番シンプルな方法は、RPA導入を業務改善活動の一環として認めてもらうことです。成果が出るかは分からないため、実証実験(Proof of Concept)として取り組むのがいいでしょう。実証実験ですから、できるだけあなたの業務に支障が出ないようなボリュームで、効果を最大に見せることができるような計画が望ましいです。
そのためにも、軽い業務を最初のターゲットに選ぶ必要があるのです。それが汎用的、部門共通的な業務であればなおさら、効果を訴えることができるでしょう。
今回の記事では、いわゆる“手弁当”、自分一人である程度プロジェクトを進められる方法をご紹介しました。もちろん、RPAをウリにするベンダーやコンサルティング会社に支援を委託するのもいいですが、その場合、少なからず会社の出費を伴うことになりますので、予算の確保や決裁が必要になります。
RPAは従来のシステム開発と異なり、システムを使うユーザー自身の手で業務を変えていける可能性を秘めたテクノロジーです。「やってみたいんだけど時間がなぁ」と思っている方も多いとは思いますが、実際にRPA導入を進められている方は、何とかうまく自分の時間を作って進めたケースが多いように思います。
ある偉大なプログラマーは「楽をするためには、どんな苦労も厭わないものだ」と言いました。この記事が、そんな心意気を持つ方を一人でも増やすきっかけになればうれしいです。
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