コレ1枚で分かる「機械学習の3つの学習方法」即席!3分で分かるITトレンド

機械学習の学習方法には、「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3つがあります。それぞれの違いと活用分野について解説します。

» 2019年01月07日 07時00分 公開

この連載は

 いまさら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


 機械学習には、「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」と呼ばれる3つの学習方式があります。

教師あり学習(Supervised Learning)

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 入力と正解例の関係を示したデータを学習データとして入力し、その関係を再現できる推論モデルを生成します。

 例えば、「イヌ」という正解を付した画像、「ネコ」という画像を付した画像を学習させて、「イヌ」や「ネコ」のそれぞれに固有の特徴の組み合せパターンを見つけ出し、両者の違いをうまく表現できる推論モデルを生成します。

 この学習方法は、故障診断や画像分類など、ものごとをうまく区別、仕訳する「分類」、利益の予測、不正検知など、データを基に傾向(関数)を導き出し、今後の数値を予測する「回帰」などに用いられます。

教師なし学習(Unsupervised Learning)

 何の説明もない学習データを入力し、抽出した特徴の組み合せパターンから類似したグループを見つけ出す推論モデルを生成します。

 例えば、「イヌ」「ネコ」「トリ」を区別することなく、学習データとして入力すると、それぞれの特徴の組み合せパターンの違いを見つけ出し、推論モデルを生成します。これは、それぞれを特徴付ける「概念」といえるものを作り出しているといえるかもしれません。

 この手法は、いろいろなものの中から似たもの同士集めてグループ化する「クラスタリング」、データの圧縮やデータ相互の関係を見える化する「次元圧縮」などに用いられます。

強化学習(Reinforcement Learning)

 推論の結果に対して評価(報酬)を繰り返し与えることで、どのような結果を出してほしいかを示し、その結果をもうまく再現できる推論モデルを生成します。

 例えば、ゲームの得点が高ければ「+」に評価し、低ければ「−」に評価することを繰り返していくことで、得点が高くなる、つまり、プラス評価という報酬が与えられるようなゲームのやり方を再現できる推論モデルを生成します。

 囲碁や将棋などのゲームに勝つ、効果的な広告を出稿する、安全な自動運転を実現するといった用途にに用いられる手法です。

Photo 【図解】コレ1枚で分かる「機械学習の3つの学習方法」

著者プロフィール:斎藤昌義

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 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィールはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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