「セキュリティ意識が高すぎ」とネットで話題――3要素認証の「ATM型貯金箱」はなぜ生まれた? ちゃお編集部に聞く週末エンプラこぼれ話(3/4 ページ)

» 2019年02月08日 08時00分 公開
[宮田健ITmedia]

コスト上限、3センチ以内――ふろくにまつわる“厳密”なルール

photo ちゃお編集部 編集長の筒井清一さん

――開発に当たって、苦労した点はありますか?

筒井さん: 2001年に、雑誌に付けられるふろくのルールが緩和されて自由度が非常に高くなり、多くの雑誌が力を入れるようになりました。ちゃお編集部でも1カ月に一度「ふろく会議」を開いています。参加する編集部員はその日に備えて、日頃からふろくになりそうなものをチェックし、買い集めています。

 課題となるのはコストです。あくまで“ふろく”ですから、上限は意識せざるを得ません。今回は2年前にATM型貯金箱を作った業者さんに相談し、前回のふろくを見ながら「ここまでならできる」というラインを見極めました。暗証番号に関しても、「3桁ならできます」「いや本物のATMと同じ4桁欲しい」といったやりとりを経て、何とか4桁にしてもらいました。

 部品を見ると分かりますが、この付録は基本的にアナログな作りです。まだスマートフォンを持っていないような世代が読者ですので、「アナログ」という点にはこだわっていますね。

photophoto ちなみに現在刊行中の3月号では、バレンタインシーズンに合わせた「いちごチョコペンケース」がふろくとして付いてくる。ふろくは基本的にアナログなものにしているそうだ

筒井さん: もう一つの課題は大きさです。ふろくのルールが緩和されたとはいえ、雑誌に挟める大きさとして「厚さは箱も含めて3センチまで」というルールがあります。そうなると、その中に入れるパーツは2.8センチくらいまでという物理的な制約が出てきます。そのため、今回のATM型貯金箱も分解された形で収納されています。現状もかなりシンプルなパーツ構成なのですが、読者層を考えると、本当は組み立てもさせたくないというのが本音です。

関さん: カラーリングにも気を遣います。ちゃおの読者ははやりものが大好き、かわいいものが大好きなので、原宿の雑貨屋などに行って、流行の色やモチーフを常にリサーチしています。

筒井さん: 「かわいく仕上げる」のは重要ですね。まだ「インスタ映え」を気にする年頃ではないとは思いますが、ウチでしかできない、かわいいものになりました。

関さん: フィギュアと一緒に写真を撮ってる大人はいましたね。

――なるほど、「大きなおともだち」も……。そういえば、今回はセブン-イレブン限定で「セブン銀行」仕様にもできるんですね。

筒井さん: そうですね。セブン-イレブンで購入すると特典としてもらえる「ちゃお×セブン銀行コラボきせかえシール」を制作しました。これまでもセブン-イレブンさんとは「アイカツ!カード」がおまけで付いてくるなどのコラボをやらせていただいたので、こちらからお願いしたところ、監修までしていただきました。

関さん: おかげさまで、モニター内のボタンの一つ一つまでしっかりリアルに再現できています。このバージョン欲しさに買う方もいたそうで何よりです。

photo セブン-イレブンで購入すると、特典として着せ替え用のシールがもらえた。オリジナルと比べると、モニター内のボタンの項目も異なる

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