Microsoft製品の「2020年問題」で見落とされがちな、「Office 2010」のサポート終了が迫ってきました。「最新版を選べば、サポート期間も長いしメリットも大きいのでは」と考える人は多いかもしれませんが、運用の面では気を付けてほしい点があります。
こんにちは。横河レンタ・リースで、ソフトウェアの製品開発を担当している松尾太輔です。
さて、Microsoft製品における「2020年問題」が迫ってきました。この問題については、どうしても2020年1月14日にサポート終了を迎える「Windows 7」と「Windows Server 2008」「Windows Server 2008 R2」に目が行きがちです。しかし、2020年秋にもう一つの山場があるのをご存じでしょうか?
それは、2020年10月13日に迎える「Office 2010」のサポート終了です。Windows 7からWindows 10への移行のタイミングで、Officeのバージョンアップも検討している企業は多いと思いますが、その際、皆さんにぜひ注意していただきたいポイントがいくつかあります。というわけで、今回はWindows 10と一緒に検討されることが多いOfficeについて、解説したいと思います。
Officeの移行に際して最も問題になりやすいのは、Excelのマクロではないでしょうか。また、古いバージョンのAccessデータベースを抱えている企業も少なくありません。バージョン互換の問題でこれらが動作しなくなれば、業務に大きな影響を与えてしまいます。IT管理者としては、絶対に避けたいところでしょう。こうした問題が自社で起こるリスクがあるかどうか確認したければ、個々に検証するしか方法はありません。
なお「Office 2013」は2023年4月11日まで、「Office 2016」は2025年10月14日までサポートされます。つまり、これらの製品を使えば今から5年程度もつわけですが、「できるだけ長く使える」という意味では「Office 2019」の導入を考える企業は多いかもしれません。マクロなどを多く抱えれば抱えるほど、移行の労力は大きくなりますから、サポート期間をできるだけ確保したければ、最新のOffice 2019を選びたいところですが……。
実は、そうはいかない理由があります。「C2R(Click to Run)」という、運用に大きな影響を与えるインストール形式が主流になりつつあるからです。
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