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» 2019年04月22日 11時45分 公開

Weekly Memo:Microsoftはなぜ「Azure Stack HCI」を市場投入したのか (1/2)

Microsoftがハイブリッドクラウド需要の拡大に向けて、「Azure Stack HCI」を市場投入した。なぜ、Azure StackにHCI版を追加したのか。そこにはIT市場の最前線の動きが見て取れる。

[松岡功,ITmedia]

ハイブリッドクラウド需要が高まってきた2つの理由

 「既存のシステムをいずれクラウドに移行したいとお考えならば、まずはこの新製品を使ってモダナイズしていただきたい」

 日本マイクロソフトの業務執行役員 クラウド&エンタープライズ本部 本部長の浅野 智氏は、新製品の「Azure Stack HCI」をユーザーにどう使ってもらいたいか、と聞いた筆者の質問にこう答えた。

Photo 筆者の取材に応じる日本マイクロソフト業務執行役員クラウド&エンタープライズ本部 本部長の浅野 智氏(右)と同社マーケティング&オペレーションズ部門 クラウド&エンタープライズビジネス本部 プロダクトマネージャーの佐藤壮一氏

 Azure Stack HCIとは、クラウドとオンプレミス(自社運用)を連携させたハイブリッドクラウドの実現に向けて、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)で仮想化アプリケーションを実行できるようにしたソフトウェア群のことだ。

 Microsoftが3月に発表し、日本マイクロソフトもパートナーのサーバベンダーを通じて国内で順次提供を開始したということで、4月19日に製品概要などの記者説明会を開いた。

 本稿でこの話を取り上げたのは、Microsoftがこの新製品を市場投入した理由を探ってみると、IT市場の最前線の動きが見て取れるからだ。

 まずは会見での説明から要点を挙げておこう。説明は浅野氏と、日本マイクロソフト マーケティング&オペレーションズ部門 クラウド&エンタープライズビジネス本部 プロダクトマネージャーの佐藤壮一氏が行った。

 ハイブリッドクラウドの需要がここにきて高まっているのはなぜか。その答えは2つあるという。1つは、全てをクラウドに移行するのではなく、「既存システムと連携させながらクラウドを有効活用しよう」と企業の多くが考えるようになったから。もう1つは、デジタル変革に向けてクラウドだけでなく、データの発生現場であるオンプレミスのエッジでもインテリジェント機能を装備する必要があるからだ。

 筆者が興味深く感じたのは、ハイブリッドクラウドの需要は1つ目の「SoR」(Systems of Record)もしくは「モード1」と呼ばれる領域のニーズだけでなく、もう1つの「SoE」(Systems of Engagement)もしくは「モード2」と呼ばれる領域のニーズも高まってきているということだ。これが実は、後述する競合状況にも関係してくるので、頭にとどめておいていただきたい。

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