連載
» 2020年03月05日 07時00分 公開

横河レンタ・リースの「Win10運用マスターへの道」(19):PCを「買う→借りる」に切り替えても損をするのはなぜ? MSとIntelの本社を訪ねて分かった、DaaSのメリットと注意点

Windows 10をきっかけに企業向けPCに広がりつつある「Device as a Service」(DaaS)。PC購入や運用のコストや手間をなくすといわれる一方、ベンダーにとってもユーザーにとっても危険な“誤解”が含まれていることをご存じでしょうか。そんな落とし穴を乗り越えている数少ないベンダー、IntelとMicrosoftを米国で訪問しました。

[松尾太輔,ITmedia]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

 皆さんこんにちは。横河レンタ・リースで、ソフトウェアの製品開発を担当している松尾太輔です。2020年1月14日、ついに「Windows 7」はサポートエンドの日を迎えましたが、「Windows 10」の運用を掘り下げるこの連載は続きます。今後ともお付き合いください!

 前回はWindows 7のサポート延長と併せて、Windows 10のアップデートについて少し解説しました。MicrosoftもWindows 10の運用について掲げる「Device as a Service」(DaaS)という概念は、さまざまなベンダーの取り組みに登場するようになりました。しかし、そのビジネスモデルをはっきり定義しようとすると、まだ曖昧な面は否めません。

 実は私、2020年1月末〜2月頭にかけて米国のITベンダーを何社か巡ってきました。そこで、今回は米国で収集してきたDaaSの最新情報をお届けします。

米国でIntelを訪問した筆者

安易に踏み込むとベンダーも危ない? 意外にしょっぱいDaaSビジネスの真実

 既に米国のITベンダーの多くがDevice as a Service(またはPC as a Service)を提供していて、ベンダーによって条件は変わります。例えば、あるベンダーのサービスは、2年、3年、5年の中から好きな利用期間を選択し、ある程度の台数を一括で発注する方式です。利用料はPC1台当たりの月額から計算して支払い、使わなくなったPCを返せば月額費用が1台分減る仕組みです。1台当たりの単価は、数十日前に利用中止を伝えれば変わりませんし、ペナルティー(解約金)も発生しません。ただし全体の10%くらいまでしか解約できないとしています。

 これは、エンタープライズサーバやストレージの利用料に応じた、いわゆるコンサンプションモデルの考え方と同じです。ハードウェアのサブスクリプションは、売り上げから変動費を差し引いた利益がソフトウェアよりも低く、ある程度まとめた量で取引するとしても、ベンダー側がどこまで利益が減るリスクを許容できるか考える必要があります。ハードウェアを販売する形であればその場で利益が確定しますが、課金モデルの場合はそうはいきませんし、利益をきちんと回収するには他にも課題があるからです。

「PCをサブスク提供すればずっと利益が出る」というベンダーが失敗する理由

 ベンダーから見たサブスクリプションのうまみとして、チャーン(解約)されない限り継続的に売り上げを回収できるという点を挙げる人もいます。いわゆる「リカーリングビジネス」のモデルに近い認識ですが、ここに大きな落とし穴があることにお気付きでしょうか?

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ