会議の生産性を上げる――「超高コスト」なコミュニケーションを有効活用するには?身の丈に合った「一人働き方改革」のすすめ(1/3 ページ)

コミュニケーションで最もポピュラーな手段は「会議」です。時間を共有する密なコミュニケーションが図れますが、一方で無駄と考えられることも。今回は、良質な会議をするテクニックをご紹介します。

» 2020年06月25日 10時00分 公開
[高橋宣成ITmedia]

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 大企業を中心に続々と「働き方改革」が進んでいます。資金力や人材が豊富な大企業であれば、改革のための施策を打つことは難しくありません。しかし、中小企業の多くは慢性的に人材が不足し、思い切った手が打てないのが現状です。

 会社主導で働き方改革をすぐさま実行に移すのは難しいですが、個人レベルではいくつかの選択肢があります。本連載「身の丈に合った『一人働き方改革』のすすめ」では、自分一人で始めていく働き方改革について、あの手この手を提案します。

 第7回の今回は「会議」に着目していきましょう。

会議に使われている時間は

 パーソル総合研究所の調査によると、役職別における年間の社内会議や打ち合わせ時間は以下のように推計されています。

  • メンバー層: 154.1時間
  • 係長級: 301.2時間
  • 部長級: 434.5時間

 さらに同社の調査では、このうち「無駄」と感じる会議の比率は、メンバー層で23.3%、上司層で27.5%にのぼるといいます。

 私自身も会社員時代の会議を振り返ると、以下のような残念な光景を目にすることがしばしばありました。

  • 特定の人がずっと発言するだけで終わる会議
  • 「特に報告はありません」という報告を順番に言っていく
  • ブレストなのに誰も発言しない
  • 上司が特定のメンバーをずっと問い詰める
  • メンバーが居眠りをしている
  • 重要人物が離席したまま戻って来ない
  • 議論がひっくり返ってふりだしに戻る

 無駄な会議は会社にとって大きな損失です。会議にかかる人件費は「参加メンバーの時間単価の総和」×「会議時間」ですから、1回の会議で数万円単位の人件費に換算できます。それが毎週もしくは毎日になると、年間では何百万円という単位に膨れ上がります。

 組織の働き方改革においては、「会議の棚卸し」に必ず着手すべきです。これを改善すれば大きな効果を期待できます。

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