職場のコロナ対策やテレワーク迅速化へ OktaがWork.comと連携を発表アフターコロナの職場をどう支える?

SaaSをまたいだID管理サービスを提供するOktaは、Salesforceが提供する職場復帰支援アプリ「Work.com」との連携を発表した。新型コロナウイルス感染症が収まらない中、Work.comが提供する、従業員の健康管理やオフィスの感染対策の可視化、「密」を防ぐための出社管理といった機能は連携でどのようなメリットを受けられるのか。

» 2020年10月09日 07時00分 公開
[谷川耕一ITmedia]

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 IDaaS(ID as a Service)の「Okta Identity Cloud」(以下、Okta)を提供するOktaが、米国時間の2020年10月7日にSalesforce.com(以下、Salesforce)との協業強化を発表した。

 今回の協業強化により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による一時的な全社テレワークを実施した企業を対象に、安全な職場復帰をサポートするSalesforceのアプリケーション「Work.com」とOktaの連携が実現する。

 Work.comは、職場におけるCOVID-19の感染リスクを最小化し、事業継続をサポートするための機能を備える。日本でも2020年7月にセールスフォース・ドットコムが提供を開始した。社内外の情報を集約し、オフィス再開や従業員の出社タイミングなどを判断できるようにする。オフィスの感染対策を可視化する他、従業員の健康チェック、オフィス内での行動履歴の管理、「密」を避けるためのシフト勤務管理などの機能を提供する。

Salesforce.comはWork.comを米国で先行して提供し、日本でも2020年7月から一部機能をリリースしている(出典:Salesforce.com)

職場のコロナ対策にフォーカス Work.comとOkta、連携のきっかけ

 Salesforce自体は、顧客の情報を網羅的に管理し、従業員による顧客対応を最適化するCRMソリューションで知られる。

 一方のOktaは、テレワークが普及する中「従業員がどこからでも必要なツールに安全にアクセスし、業務を進められる環境をどう作るか」という課題に応えるソリューションとして、IDaaSの重要性を提唱している。

 今回、Oktaとの協業が実現したきっかけは、SalesforceがWork.comの提供に当たって「ユーザー体験をより良いものにするため、手伝って欲しい」とOkta側にアプローチしたことだった。

 Work.comについて、Oktaのフレデリック・ケレスト(Frederic Kerrest)氏(エグゼクティブバイスチェアマン 最高執行責任者 兼 共同創業者)は「Salesforceの新しいダッシュボードとして提供されるアプリケーション・スイートになっています」と話す。

オンライン記者発表会に登壇した、Oktaのフレデリック・ケレスト氏(エグゼクティブバイスチェアマン 最高執行責任者 兼 共同創業者)

 従業員の安全や健康状態の管理にスポットを当てたWork.comとOktaが連携するメリットとは何か。そのヒントは、協業に当たってOktaが発表した「スピード」「セキュリティ」「複雑性」の3のキーワードにあるだろう。

 COVID-19の感染を抑えるには、感染リスクに対して迅速に対応することが大事だ。Work.comは個々の従業員の健康に関わる情報を扱うため「オープンにしていいデータ」「機密性を高めなければならないデータ」を明確に区別する必要もある。また、オフィスや遠隔地から多様な従業員が業務を進め、多様な端末を利用するような、複雑な状況にも対応できなければならない。

 つまりWork.comは、明確かつ厳正に個人を識別し、個々の従業員の状況に合わせたタイムリーに情報を提供する必要がある。そのために、OktaのID管理が必要になるというわけだ。

Work.comとOktaの連携が実現した背景には、より迅速かつ安全なアプリ導入のニーズがあったという(出典:Okta)

アフターコロナの働き方に、IDaaS活用がもたらす「強み」とは

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