「課題解決型のRaaS企業」は物流業界の何を変えるか【特集】物流Techのいま(4)

世界でも類を見ない「課題解決型のRaaS企業」が、新しいビジネスモデルで物流業界の改革を推進する。ビジネスサイクルが短くなる業界にRaaSがもたらすのは、ロボットだけではなく、業界全体の変革のようだ。

» 2020年11月25日 10時00分 公開
[ITmedia]

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 物流オペレーションの短寿命化と労働集約型物流オペレーションの限界に加え、OTとIT、FTの融合が進んだことで、ロジスティクステクノロジーが進化した。

 日本通運は2020年7月、倉庫の効率化を目指し、平和島物流センターにRaaS型のロボットを導入した。本特集第2回で紹介したRapyuta Roboticsのロボットもここで稼働する。

 この日本通運の倉庫改革を総合的に支援したのがプラスオートメーションだ。同社は2019年6月に設立されたばかりで、三井物産、日本GLP、豊田自動織機からの出資を受ける。

 「私たちはメーカーでも商社でも代理店でもない。コンサルタントやシステムインテグレーターでもない。世界でも類を見ない『課題解決型のRaaS企業』だ」と語るのは、プラスオートメーション CEOの飯間 卓氏だ。

 飯間氏は三井物産の出身。エレクトロニクス業界やベンチャー投資などを経験した経歴を持つ。COOの山田省吾氏も三井物産で物流や金融、不動産、出力プラントなどの事業に関わってきた経験を持つ。2018年からは日本GPLとRaaSの共同事業検証を推進するなど、プラスオートメーションのベースとなる活動を進めてきた。CMOの大西弘基氏はその際の日本GPL側の担当者だった人物だという。

特集:物流Tech

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物流業界はダイナミックなデジタル変革が進む。オペレーション効率最大化に向け、組織を超えた情報や技術の連携、設備のサービス化、IT基盤を使ったプラットフォーム開発など、企業間の競争も激しい。既に極限まで効率化されつつある業界だが、この数年はグローバルプレーヤーに加え、ITスタートアップやプラットフォーマーを目指すプレーヤーの参入が相次ぐ。ITを起点に大きな変革の中にある物流業界のトレンドを追う。


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物流における「RaaS」がもたらす意味

 プラスエーオートメーションは「Robotics as a Service」(RaaS)の提供を事業の核とする。

2 RaaSのサービス提供モデル(出典:プラスエーオートメーション、以下同様)

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