企業の間で多様なクラウドの導入が進む中、分散しがちな環境の運用や新たなアプリケーション開発の課題を意識した「VMware Cloud」が発表された。開発の迅速化や運用の効率化をはじめとしたニーズにどう応えるというのか。
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企業ITシステムのクラウド化が進む中、その環境もハイブリッドクラウドやマルチクラウドなどを含め多様化しつつある。
VMwareは2021年3月31日(米国時間)に分散型マルチクラウドプラットフォーム「VMware Cloud」とともに、サブスクリプションサービスや管理ソリューション、プロフェッショナルサービスなどを発表した。企業がマルチクラウド化を進める上で突き当たりがちな課題の解決を意識したという、その内容とは何か。VMwareのCOO(最高執行責任者)であるラグー・ラグラム(Raghu Raghuram)氏が、その狙いや特徴について説明した。
ラグラム氏によれば、VMware Cloudはハイブリッドクラウド基盤「VMware Cloud Foundation」と、コンテナオーケストレーション基盤「Kubernetes」を活用したアプリケーションの開発/実行/管理向け製品群「VMware Tanzu」を統合し、新たなサービスとしたものだという。また、VMware Cloudはモジュール型ソリューションであり、顧客が状況に合わせてモジュールごとに導入できる点も特徴だ
「VMwareは、全てのハイパースケーラーで利用できるようにVMware Cloud Foundationを進化させ、VMware Tanzuによって企業のDXを促進し、アプリケーションのモダナイゼーションを迅速に実現するための価値を提供してきた。これを組み合わせたVMware Cloudは、スピードやシンプルさ、優れたセキュリティによって、モダナイゼーションを支援する」(ラグラム氏)
VMware Cloudは、統合的なセキュリティを提供し、マルチクラウドの運用を支援する。
ユーザーは「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」(Azure)、「Google Cloud Platform」(GCP)、「IBM Cloud」「Oracle Cloud」「VMware Cloud on Dell EMC」などをはじめ、数百社のVMware Cloud認定パートナーが運用するクラウドのVMware Cloud Foundationにアプリケーションを展開できる他、オンプレミスやエッジといったあらゆる環境で稼働できるという。またハイブリッド環境向け管理ツール「Cloud Management Platform」を通じて、統合的なセキュリティを提供する。
多様な環境でアプリケーションの開発、構築、展開が可能になれば、開発者は生産性を向上できる他、IT部門もインフラと運用のコストを効率化できるメリットがある。
VMware Cloudの特徴は、大きく分けて3つある。
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