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» 2021年10月22日 07時00分 公開

“頑張り過ぎる働き方”を卒業しないか? ハイブリッドワーク以上に重要な、未来の生産性の話Citrix Overseas Report

テレワークやハイブリッドワークといった多様な働き方が進む半面、リソースやコストなどを理由にオフィス勤務に「先祖帰り」する企業もちらほらと現れています。しかし、こうしたコロナ前の働き方に戻ることは大きなリスクをはらみます。生産性や日本の労働力の視点から、問題点を解説しましょう。

[奥村圭悟,シトリックス・システムズ・ジャパン]

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 ITの導入や就業規則の見直しなどの「働き方改革」を、どのような形であれ経験している読者は多いのではないでしょうか。コロナ禍で一気に広がったテレワークについては「生産性アップ」「仕事の効率化」といった短期的な目標が注目されがちです。しかし、本質的な目標は、少子高齢化による人手不足の解消や長時間労働の是正といった社会問題の解決にあります。

 特に18〜40歳の年齢層で今後の労働を担うデジタル世代は、この問題に密接に関わっています。Citrix Systems(以下、Citrix)が実施した「デジタル世代(注)の企業利益への影響力」を算出する経済モデル調査「Digital Born Effect」は、働き方改革にデジタル世代が与える効果に注目しました。

(注)本稿は、同調査の基準に合わせる形で、デジタル世代を「高度な教育とスキルを持ち、デジタルに精通した18〜40歳の従業員」と定義します。

 調査結果によれば、デジタル世代は技術を使ったビジネス展開や業務の変革といった取り組みを通して世界で年間1.9兆ドル(約200兆円)の利益を企業にもたらす可能性があります。一方、少子高齢化でデジタル世代の人口比率が低い日本については「年間250億ドル(約2.7兆円)の機会損失が出る可能性がある」という、ショッキングな結果も明らかになりました。

世界各国におけるデジタル世代の割合。日本は約8%だ。(出典:Digital Born Effect)

デジタルを活用しない企業が見落とす「仕事を頑張る日本人」の限界

 「デジタル世代が少ない」ことと「ビジネスの機会損失」との間には、関連性が見えにくいかもしれません。しかし、周囲を見渡してみてください。コロナ禍をきっかけにシステムやアプリケーションを刷新してテレワークしやすい環境を整え、Web会議やチャットなどでコミュニケーションがうまくとれるようになっていたにもかかわらず、緊急事態宣言が解除された途端に「上司の一声で、オフィスに戻ってコロナ前と同じやり方で仕事をこなす毎日に戻ってしまい、若手が不満を押し殺している」といった事態が起きていませんか。

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