Amazonが英国でのVisaクレジットカードの利用を停止するという予告を撤回した。クレジットカードの手数料を巡る問題は両社の頭を悩ませるが、PayPalという第三者の有利になる可能性が浮上した。
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eコマース大手のAmazonは2022年1月、Visaクレジットカードの受け入れを停止するという予告を撤回した。2021年にAmazonがカードネットワークの手数料に対して世界中で抗議し始めて以来、高まっていた緊張が和らいだ。
最近のAmazonとVisaの声明によれば、消費者がVisaカードを使用してAmazonで商品を購入するときに課される手数料について、両社は新たな合意に近づいているようだ。
Amazonの広報担当者は2022年1月17日にメールで「英国AmazonにおけるVisaクレジットカード使用に関して予定されていた変更は、1月19日には実施されない」という声明を発表した。「当社は顧客が英国AmazonでVisaのクレジットカードを引き続き利用するための潜在的な解決策についてVisaと緊密に協力している」(Amazonの広報担当者)
Amazonは2021年11月、英国で発行されたVisaクレジットカードに対して同年1月19日までの使用可能期限を設定した。Amazonは、カード会社の決済手数料が高すぎると主張して注目を集めた。これは、2021年にAmazonがカードネットワークの手数料に抗議して、オーストラリアとシンガポールでVisaの取引に課した追加料金に続く動きだ。
Visaも和解の姿勢を示している。Visaの広報担当者は同年1月17日にメールで、「Amazonの顧客が1月19日以降も英国AmazonでVisaカードを引き続き使用できるよう緊密に協力して合意に至るよう努めている」と声明を伝えた。
しかし、未解決の問題や合意に達する時期といった交渉の詳細は2022年1月17日の声明では明らかにされなかった。
両社はVisaとAmazonによるブランド提携契約の今後についての言及も控えた。シアトルを拠点とするAmazonは、Visaとの提携を打ち切り、同社よりも規模が小さいMastercardへの乗り換えを検討していたと伝えられている。
Autonomous Researchのアナリスト ケネス・スチョスキ氏によると、サンフランシスコを拠点とするVisaは手数料の引き下げやより多くのリベート、より多くのサービス、あるいは他の「付加価値サービス」の追加をAmazonに対して提案する可能性があるという。
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